「やんね」先生



愛知県を大雑把に分けると、西側の尾張と呼ばれる地域と、東側の三河と呼ばれる地域になります。

TVなどで「名古屋弁」が紹介されて有名になっておりますが、愛知県全域でそれが使用されているわけではありません。
名古屋市が含まれる尾張地域ならともかく、三河には全然別の「三河弁」が存在しているんですね。

そして、その「三河弁」というものも、場所によってかなりの違いがあるものらしいです。




我が家の息子、生まれこそ名古屋市内の病院ですが、育ちは完全に「岡崎市」です。
「三河」の中でも「西三河」と呼ばれている地域ですね。
ここで、どっぷり「岡崎弁」につかって成長いたしました。

娘は100%岡崎人間。
私は名古屋弁地域の育ち(4年間東京)ですが、岡崎市に住んで長かったものですから、彼らがしゃべる言葉に、もはや何の違和感も感じていなかったんですよ。



父親の転勤にともない、私といっしょに名古屋市に引越ししてきた息子なのですが、最近ちょっとショックなことがあったらしい。



「オレって、しょっちゅう やんねって言う?」



「やんね」というのは、岡崎の言葉で、セリフの語尾にくっつくものです。
○○○やんね・・・・・・というのは、○○○ですね・・・・・・という程度のごく軽いもの。
岡崎では、ごく自然に使用されておりました。
   (最も岡崎っぽい語尾というと、りん、だらぁ、じゃん・・・だったりする。)



これ、名古屋では使わない語尾なんです。

まぁ、三河と尾張では違うので、名古屋で使わないというのは普通のことでしょう。

でも、息子が指摘されたのは、勤務先の高校だったんです。



彼の勤務校は、西尾市にあります。
これも三河地域ですから、息子はなんの先入観もなく、普段どうりの三河弁をしゃべっていたんでしょうね。

そうしたら、ある日、学生さんから指摘されたらしいんです。

「先生って、しょっちゅう やんね って言うのな。」



どうやら、西尾市のあたりでは、この「やんね」という語尾はくっつかないものらしいのです。



「こないだ数えたら、1回の授業で30回くらい やんねって言っていたぞ。」



30回・・・・・・・・・



高校は50分くらいの授業時間ですから、2分以内に1回ずつの割合で、「やんね」を連発していることになります。

くちぐせにしても、いくらなんでも多いですねぇ。


これが名古屋弁であるなら、たとえば、毎回、語尾に「〜〜だぎゃぁ」というものをつけたとして・・・50分に30回も、「だぎゃ」「だぎゃ」と連発するような会話をするものでしょうか?
それは・・・・・ちょっとイヤだな。笑



う〜ん・・・・・・。

先生という職業は、教科書片手にいろんなことを解説するのが仕事の1つですから、黒板になにか書きながら、
「ここは、こうで、あそこは、ああで・・・」
やんね、やんね、やんね・・・・・・と、やりまくったのかもしれません。



「そんなに、やんねばっかし言うか?あぁ、やんねっていうのは、岡崎弁で、・・・だよねという意味やんね。・・・・・・・あっ?!




指摘されて、初めて気づく自分の口癖。

ガァ〜〜ン・・・・・・・ってなもんだ。




別に、語尾に「やんね」がくっついていたところで、授業をする上で、特別の問題が起きるわけじゃないと思うんですけれどねぇ。

なんとなく、しょげているのが、見ていて面白い。

そんなに気になるのなら、「やんね」をスルーしてしまう、岡崎市内の高校にでも、勤務先変更するしかないでしょうね。
そういうことは、簡単にはできないんだよ、息子さん。




生まれ育った地域の言葉がついついポンポンでてきてしまう・・・というのは、TVアナウンサーなどの特別の職業でもない限り、問題ないと思います。

私の高校時代にも、
「あのぉですねぇ・・・」
という口癖の地理教師とか、
「すいすい・・・と。」
「ポチポチいくか?」
が、得意な数学教師とかがいました。

学生たちは、影でそのものまねをして笑っているのですが、これ、人気のない先生の場合は、まねてもらえるものじゃないんですね。

1時間の授業に、何回「やんね」を言うか、数えてもらえるようなら、息子よ、おまえさん、幸い、学生さんたちには、嫌われていないんだな。
よかった、よかった。



でも、さすがに多すぎるので、時と場合によっては「やんね」封印ができる状況には、なっておいた方がいいかもよ?




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