地理じゃない、古典だ



高校で国語の先生をやっている息子から聞いた話です。



古典の授業で「伊勢物語」の「東下り」をとりあげている時のこと。


   業平の一行が、三河の国「八橋」で休んでいるときに、ある人が
   「かきつばた・・・の5文字を頭に入れた歌をつくろう。」
   と提案し、

   からころも つつなれにし ましあらば るばるきぬる びをしぞおもう

   と詠んだら、大好評をはくした・・・という有名な話ですね。



息子の勤務先というのは、ちょうどこの舞台になる地域にあるんですよ。
だから、授業をやっていても、よけいに熱が入る。


まずは、黒板にざっと愛知県の地図を書きまして・・・

「あっちが名古屋、むこうが豊橋だな。
 このへんに岡崎があって、ここが知立。
 昔は池鯉鮒と書いて ちりゅう と読んだわけで・・・
 まぁ、池とか湿地が多かったんだろう。
 で、このへんが今回の舞台となる・・・・・・」

ってな具合に地図のあちこちに鉄道の路線とか、名古屋、豊橋、知立、刈谷などの地名が書き加えられたわけです。
学生さんたちも、そのへんの地域から通ってきている人がほとんどですから、わかりやすいMapなはずです。



授業が終了して、廊下に出たら・・・・・・1人の学生さんが呼び止めた。
「先生、さっきの東下りなんですが・・・」
「うん?」
「地図に・・・国府が無い・・・」
「おまえ、国府から通ってんの?遠いな、おい。」
「そう、やっぱ、国府も書いてもらいたい。」
「う〜ん、じゃ、書くか・・・」

注:東下りの授業に国府の位置表示は、あんまし意味がありません



次のクラスで授業をしまして・・・国府まで地図に書いたりしてね。
終了して、廊下に出たら・・・また、1人の学生さんが呼び止めた。
「先生、さっきの東下りなんですが・・・」
「うん?」
「地図に・・・豊明が無い・・・」
「豊明から通ってんのか?」
「そう、やっぱ、豊明も書いてもらいたい。」
「う〜ん・・・・・」

注:東下りの授業に豊明の位置表示は、あんまし意味がありません



で、さらに、次のクラスで授業をしまして・・・
終了して、廊下に出たら・・・また、学生さんが呼び止めました。
「先生、さっきの東下りなんですが・・・」
「・・・・・・・・・・・。」




遊ばれている、これは学生どうし連絡を取り合って、絶対に遊ばれているな。




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