タイピスト老化現象確認



若かりし頃・・・笑・・・私の就職先での職業内容は・・・教授秘書(?)の類でした。

肩書きは国立研究所の技術補佐員なんですが、やっていることは、一般企業ならば「秘書」という職種の方がやるようなお仕事〜〜かな。
   ・・・・・・・う〜ん、「秘書」っちゃぁ、ちょっと異例な仕事もあるけれどね。

英文タイプは、最も重要な仕事の1つでした。



当時、論文の原稿などは、研究者が手書きをして、それをタイピストが英文原稿に打ち直す・・・というのが普通だったんです。
(現在は、本人がパソコンでパチパチやっておりますな。)
ちょうど、IBMなどがメモリー付きの最新型電動タイプライターを開発、売り出し中だった時代でして、タイピストの仕事そのものが、大きく変化しつつあるところでした。

メモリーがあるので、ミス・タイプしても、チェック後すぐに訂正が可能。
仕事は楽になったのですが、この進歩がやがて「タイピスト」という仕事そのものを消滅させてしまったんですけれどねぇ。
(記憶装置のない時代のタイピストというのは、高給取りだったみたいですゼ。)




英文タイプの仕事は、割と得意でした。
スピーディだったんですよ。(メモリーがあるから。)

まぁ、先生方に重宝された最大の原因というのは・・・・・・
タイピングのすばやさとか、科学論文にありがちな特殊記号打ち込みのテクニックとかよりも・・・
「それ・・・・・よく、文字として解読できますね・・・・・。」
たまたま、商用で通りかかって、隣からのぞきこんだ業者のセリフがすべてを語っていたのかもしれないんですけれど。

いやぁ、どこから見ても、ミミズがひきつけを起こしたようにしか見えない「文字」を書く人って・・・どこの世界にもいっぱいいるってことだ。
ついでに、挿入部分を別の紙に書き込んで、「これを、あっちに入れろ」とか、何枚にも分かれた「宝の地図」を解読するような状況の「論文」を作りあげる人が、これまた、いっぱいだったせいもあるんですよね。



私の頭は、日本語しか解読できない構造になっているらしく、どんな英文を読んでも、ろくに何が書いてあるのかわかりゃしなかったんですが・・・タイピストというのは、翻訳ができなくても、どんなアルファベットが並んでいるのかさえ判断できるのなら、仕事が成立いたします。

教授をはじめとして、自分が所属する場所の研究者たちが、どんな研究をして、どんな論文を書いているのか、タイプしながら、全然内容を知ることができない「秘書」なぁんてのは、最低なのかもしれませんが、考えようによっちゃ、タイピストを通じて、他に情報がもれる心配が一切無い人・・・・・ということで、最高の「秘書」だったのかもしれません。大笑
(仕事の内容は、タイプ原稿ではわかんないけれど、やっていることを見ていれば、それなりに理解できたんですけれどね。同じ専門分野の理系出身でしたから。)




そんな私が、いかにもヒマっぽく、サイト訪問をして遊んでいるところへ、娘がコピーした紙を2枚もってやってきました。
「この英文、打ち込んでほしいの。」
「は?」

見ると、書籍をコピーしたと思われるコピー2枚裏表に、ビッチリと英文。
ところどころにマーカーでラインが引かれている。

ゼミかなんかで報告するネタなんだろうか?

とりあえず、時間的にせっぱつまっているみたいで
「やだ。」
って断ることができる雰囲気じゃなかったんだよね。

ひきうけたものの・・・・・・・



まずいっス。

ン十年前とは、状況が違っておりました。


まずね、原稿が読めない。
いや、内容ではありません。
正直な話、内容はどうだっていいんだ。
すでに、活字印刷されているんだから、そのまま英語タイプ入力すればOKのはずなんだけれど、目が文字を読み取れない。

老眼つうやつだよ。


その辺に置いた、と〜っても細かい文字の原稿と、パソコン画面の文字とを、パッパと見て、瞬時に焦点が調節できないんでやんの。



ゲッ!・・・・・・・どうしよう?



しかたがないので、パソコン画面はあきらめまして、ひたすら原稿を見ることにいたしました。



すると、次は、指が思うように動いてくれない。



ほら、例えばピアニストが本職の人というのは、毎日3時間とか4時間とかきちんと練習をしておかないと、指が思うように動いてくれない・・・・・と言いますけれど、それと似たようなことが起きているわけです。

このところ、パソコンに向かっていても、英文入力で打ち込みしているのは、日本語。
英文で利用する単語の文字にしか出てこないような指の動きは、すっかり身体が忘れちゃっているみたいなんだな。

目が英文を追って、「こういう単語を入力しなさい」・・・と手に伝えているはずなんだけれど、手がきちんと仕事をしてくれない。
やたら「スペルチェックをしなさい」という警告が連発するんです。

それも、特殊な単語を間違えているんじゃなくて、自分で見ても
「なんじゃ、このワケのわからん単語は?!」
と、あきれるようなタイプをしているんだよ。


あうう・・・・これって、つまり・・・

老化現象を起こしたタイピスト


っつうわけ?



午前中にたのまれて、
「2時くらいまでにできればいいかな・・・」
と言われたときは、楽勝だ・・・と思ったのに、やってみたら、3時になっていたよ。
    もちろん、昼飯抜きで。

ガ〜〜ン ・・・・・・・・・・。



それでもさぁ、一応、その辺に寝そべっている

ネコの手を借りるよりは、まし



だったみたいなんスけれど・・・・・・




ネコとの比較問題になるようじゃ、ちょっぴり悲しい元タイピスト(?)だったのでありまする。




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