今年のナツイチ
もうすぐ夏休み・・・という時期になると、出版業界各社から、お薦め文庫本のセットが組み立てられまして、
「今年の夏には、この本を読みましょう!」
ってな感じで、書店にズラリと並んだりするんですね。
集英社文庫の場合、これを「ナツイチ」と呼んでいるようです。
日曜日に、なんか久しぶりに、息子と娘、3人ゾロゾロとマクドナルドに出かけたんですよ。
ハッピーセットを買うと、ポケモン関係のおまけがついてくる・・・という時期だったもんですから。
で、マックの前が本屋さんでして、ごく自然に入ったんですね。
いつも私が巡回する(?笑)コースと違う棚に、ナツイチが並んでおりました。
申し合わせたように、3人の足がピタッと止まりまして・・・・・・・
2008年のナツイチは、コミック作家が描いた新作カバーが期間限定で文庫本にかけられる・・・というのが最大の売り!なんですよ。
それで、だれでも知っている有名な文学作品の文庫本が、イメージを一新して並んでいる。
芥川龍之介「地獄変」
太宰治「人間失格」
夏目漱石「こころ」
のカバーに、「デスノート」の小畑健さんのイラスト
中原中也「汚れつちまつた悲しみに・・・」
のカバーに、「テガミバチ」の浅田弘幸さんのイラスト
そして、私たち3人の目を釘付けにしたのが
川端康成「伊豆の踊り子」
カバー・イラストが、なんとっ、荒木飛呂彦さん!!
ど・・・どんな踊り子やねん?!
道がつづら折りになって、いよいよ天城峠に近づいたと思うころ、雨脚が杉の密林を白く染めながら、すさまじい早さで麓から私を追って来た。
私は二十歳、高等学校の制帽をかぶり・・・・・・・
一人伊豆の旅に出た青年が出会った旅芸人の踊り子は・・・田中絹代、美空ひばり、鰐淵晴子、吉永小百合、内藤洋子、山口百恵、いずれもその時代のトップ・アイドルスターが好演して、過去に6度、映画化されております。
まちがっても、人ならぬものが飛び出してきたり、背景に効果音が炸裂したりする文学作品ではありません。
でも、ど〜しても、このカバー・イラストを見ちゃったら、オラオラオラ・・・とか、無駄無駄無駄無駄無駄・・・とか連想しちゃいまして・・・買っちゃったよぉ。
「伊豆の踊り子」が収録されている本、当たり前のように、我が家には、すでに存在しているのにさ。
おまえ、ジョジョしか読んでいないの?・・・という突っ込みは無しね。
この文庫本、いずれ息子が「高校の学級文庫用にでも持っていくか?」と言っております。
どうやら、今回の衝動買い、無駄にはならないようですな。
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