美味い、不味い


我が家のまわりには、目立たないようでも、野鳥がいろいろ住んでいるらしいです。
スズメ、メジロ、ムクドリ、シジュウカラ、カラス、ドバトあたりは確認していますが、他にも声だけは聞いたという鳥が結構います。

秋の終わりから冬にかけて、鳥たちの餌が少なくなります。
そうなると、庭木になっている実は、彼らの絶好の餌になるようです。

我が家にも、実のなる庭木が何本もあり、見ていると鳥の好みがわかって面白いです。
よほどのことがない限り、真っ赤な実をたわわにつけている美しい木。
これは・・・つまりは「まずい」実であるわけですね。鳥たちが食べない!
以前なにかの本でピラカンサの類は、日本の野鳥には好まれないという記事を読んだ記憶があります。ピラカンサにもいろいろの種類があるに違いないのですが、どうやら、我が家に植えられているのは、その「好まれない味」の種類らしいです。玄関先にあって、たいへんに美しくていいです。苦笑


逆に、ナンテン、センリョウ、マンリョウなどの木は、あっという間に丸裸にされてしまいます。
赤い実を楽しもうとしても、鳥がさっさと食べてしまう。
鳥避けに網でもかければ大丈夫なのでしょうが、これでは美観がそこなわれてしまいます。
結局「美味い」実の植木は・・・人間が赤い実を楽しむことはできないようになっているのでしょうね。


私は「クササンゴ」と俗によばれている植物が好きで、引越ししてからも楽しもうと、鉢植えを買ってきました。これをベランダにだしてやると、場所が気に入ったのか、さっそく白い花がたくさん咲き、緑の実がなりました。
やがて、オレンジ色の美しい実と、緑の葉を楽しめる・・・だろうと思っていたのですが・・・実が赤くならない!!
なぜ?!
実がなくなっているのです。

ある日、娘が目撃いたしました。
色づき始めた実を食べにきた鳥さん。
ごちそうさま・・・とばかりに、ぺろりと平らげて去っていったそうです。

くそぉ〜〜っ!!

以後、花はどんどん咲くのですが、実はあいかわらず鳥の餌状態がつづいています。
よほど、美味いらしいのです。
野鳥がよろこんでいるのは・・・まぁ、いいけれど・・・ちょっと、くやしいかも。



このシーズンになると思い出す「鳥と植物」のネタがあります。
卒論でお世話になった東京の上野動物園で聞いてきた話です。

動物園は、動物の飼育、展示、研究、繁殖などの場所であるだけでなく、都民の憩いの場としても重要な役割をもっています。
そのため、園内各所には花壇があり、シーズンごとに美しい花が咲き乱れることになっています。
花壇は、もちろん園芸を担当する係員さんの努力によって、いつも美しい状態をたもっているわけですが、その係員さんから聞いた話です。

ある冬の日、お正月にむけて、園内の花壇に「ハボタン」を大量に植えつけたことがありました。ハボタンは、冬の花が少なくなっている時期に、美しい色の葉を楽しむことができる貴重な植物の1つです。
お正月の生け花の材料としても、おなじみになっています。
何種類かの葉色のハボタンを配置良く並べて、丸1日がかりで花壇が整備されました。
その翌日・・・前日に整備されたハボタンは、きれいさっぱりなくなってしまいました。
原因。ハトです。
上野公園には、多数のハトが住み着いています。餌が少なくなってきた時期に、花壇のハボタンは絶好の餌であったのです。
ハボタンは、白菜のような味でもしたのでしょうか?ハトの襲来にどうすることもできず、丸坊主にされてしまったのでした。

公園の花壇に何を植えたらいいのか・・・担当者は、野鳥のことまで考えながら植物の種類を選択しなければならないのだ・・・という笑っていられない話でした。
今でも、東京都の公園には、ハボタンは植えられていないのでしょうかねぇ。(植えても食べられてしまうのでは、使えませんから)

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