「先生」出撃


明日は日曜日だというのに、我が家の「先生」が
「早朝から仕事なんで、起きてくれよな。」
と言ってきた。
部活の試合があるそうで、その監督として出かけるそうである。

「監督？」
「そう、監督。
　タイム！　ピッチャー　江夏！」
・・・・・・。
おい、いくらなんでも、それは古いって。
何年前の世界なんだよ。（注）
おまえさん、生まれていたっけ？・・・あぁ、生まれてはいたなぁ。でも、記憶ないだろ？
　　　　　　　　（野球ゲームだな、知識の出所は）
え？私の年代に話を合わせただけだって？最近の情報も、少しはわかっているつもりだったんだけれどねぇ。

というか・・・、たしか、女子バレーボールの顧問をしているって、言っていなかったか？
ピッチャーいないスポーツだろ？！
バレーと野球くらい、区別つくんだぞ、私！！

だいたい、ず〜っと、バスケットボールの世界にいた人間が、突然女子バレーの顧問になって、何を教えられるんだろう？バレーのルールを知っているかどうかも怪しいのに・・・
約1年、顧問をやって、少しはバレーがわかるようになってきたのかなぁ。


なんかね、チームは２つあって、新米教師である息子が担当しているのは、俗に言う2軍というわけだ。
1軍監督は、ちゃんとした先生が担当しておられるらしい。
人手不足なので、若いもんは、経験があろうがなかろうが、なんでもかんでもやらなくちゃいけないのだろう。
その2軍なんだけれど、メンバーは8人しかいないらしい。
しかも、そのうちの1人が体調不良でしばらく部活ができない状態。
さらに、数日前に1人がケガをして、試合出場不可。

ちょっと、待った！！
バレーボールって、6人いないとできないスポーツなんだろ？！
出場できるの、最低の6人ぎりぎりなのぉっ！！
もしも、試合中に、だれかがケガでもしたら、その時点で続行不可じゃん。
なんとか、１軍補欠とかからメンバーを借りることってできないのかい？

え・・・？　　実は、1軍の人数もあやしいって・・・？
大丈夫なのか、この学校。

なんか・・・甲子園予選がスタートする時期になるたびに「部員募集」をくりかえしていた、私の出身高校野球部のことを思い出してしまった。
（部員が9名いなかったんです）


休日というと、お昼まで寝ているのがあたりまえだった「先生」が、試合当日は、きちんと6時に起きてきました。
うん、えらい、えらい。
あんまり、珍しいことをするから、「雨が降る」どころか、ほら、外をごらん。
名古屋には、珍しくも、雪が積もっているから。

「うっそぉぉ〜っ！！」

寒さに震えながら、「先生」は出撃していきました。
動いている選手より、じっとたっている監督の方が、寒かったりするんだよな。

がんばれ、監督。



（注）江夏　豊さん：阪神にドラフト1位で入団したのは１９６７年。西武を退団したのは１９８５年でした。


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