はしかの流行


関東方面を中心に、はしかが流行しているそうですね。
10〜20代の若者に、はやっているとか。

早稲田大学が「はしか」のせいで数日間全面休校になったとか、新聞記事で読みました。(2007年5月22日)
他にも休校措置を取った大学がいくつもあるらしいのですが、なんかとても不思議な気分がします。




私が子供のころは、はしかというのは、だれでも大抵子供のうちにかかるもの・・・という認識の病気でした。
理由は知りませんが、なぜか春先に流行することが多かったように思います。
感染力はかなり高いので、友達がはしかに罹っているとうつされて、自分もはしかになってしまう。
高い熱がでまして、身体中に発疹が出たと記憶しています。
かなり、きつかったなぁ。
   (実際、はしかのために死亡するというケースは世界規模で無視できない数字らしいです)
でも1回罹ってしまえば2度と罹ることはない病気というやつです。



子供のうちに罹ってしまえば、わりと簡単になおるのですが、子供といっても、乳幼児の場合は、重い病気ですから予断を許しません。
また、大人になってから罹ると、よりいっそうたいへんな思いをする・・・と聞いていました。




私が「育児」を行っていたのは、愛知県岡崎市ですが、ここでは、いくつかの種類の予防接種がすすめられていまして、はしかもその対象となっていました。
市から配布されるチケットをもって、小児科医院などにでかけていけば、無料で予防接種が受けられたのです。

どこも悪くないのに、注射を撃たれて痛い思いをする子供たちは、ものすごく迷惑そうでしたが、各種予防接種をしておけば、その病気を回避できる・・・ということになりますので、いい時代になったものだと思っていました。

でも、これ、どこの市町村でもやられていたことではないみたいですね。
予防注射をしない地域もあるということです。




もちろん、個人的にお金をだして予防注射をすることは可能ですが、この予防注射、かなりお値段が高い!
岡崎市では「おたふく風邪」に関して、無料予防接種が行われていませんでしたので(現在のことはわかりません)、ある時期に、実費で予防接種を受けさせたのですが・・・高かったですね。保険の対象ではありませんから。
無料システムがない地域の場合、予防接種がどれくらい普及しているものか、問題はありそうです。


また、以前は、予防接種をしておけば、一生はしかに罹ることはない・・・と考えられていましたが、どうも、そういいきれるものではないことがわかってきています。

予防接種をしても、なぜか免疫ができないという人がいます。
また、罹患して免疫ができた場合はともかく、予防接種でできた免疫は、効果がだんだん薄れることがあるとも聞いています。
・・・・・なんか、課題が多そうな話ですよね。



予防接種というものがあるから、昔のように年がら年中大流行しないけれど、たまに、隙をねらったように流行が起きたりする。
子供のうちに罹るのが普通・・・ではなくなっていますので、流行すると大人になってから罹るということにもなります。
予防接種した当時は、罹らなくても、その効果が薄れてきた後で、罹ってしまうということもあります。(こういう場合、大人になってから・・・ということになりそうですね。)


こういう条件が重なって、大学が「はしか」のために学校閉鎖・・・という話も起きてくるのでしょう。
インフルエンザによる学級閉鎖とか、学校閉鎖という話は、よく聞くのですが、はしかが原因というのは、びっくりでした。




かなり前の話ですが、石森章太郎(石の森章太郎)氏のコミック「リュウの道」の中に、徹底的に消毒や薬剤をもちいて、病原菌予防をしている種族というのが登場しました。
「汚染」されている「外界」に出かけたりすると、完全消毒しないと街に入らないとか・・・定期的に薬を飲んで、余計な体内細菌などは駆除してしまうという、自称きわめて「文明のすすんでいる」一族でした。

でも、ある日、この一族は全滅してしまうのです。
原因は、消毒や薬に耐性がある病原菌が出現して、大流行したためなのです。
あまりにも徹底的に除菌、殺菌をくりかえしていたために、彼らは身体にとって大切なものを失っていました。
もとより、免疫とか抵抗力というものは、病原をシャットアウトできれば「必要がない」と考えられて、無視されていたわけです。

調度その大事件の最中に、一族の街に来ていた主人公たちは、この致死率100%の「病気の流行」に恐怖するのですが・・・普通の生活をして、普通の抵抗力をもっていた彼らには、なにごともおきなかった・・・という結末になるのです。

この物語を読んだとき、極端なフィクションであるとはわかっているものの、もし、今、現実社会で「天然痘」が流行したら、どうなるんだろう・・・と、疑問に思ったものです。
私たちの年代は、天然痘の予防接種が義務づけられていました。
しかし、病気そのものが消滅してしまったために、その予防接種は廃止されてしまっています。
もはや、「天然痘」のウィルスは、一部の研究施設で厳重に保管されているだけになっています。これが、漏れるということはないと思いますが、天然痘に類するウィルスがある時突然出現しない・・・という保証はありません。

もしも、そういうことがあったら、予防接種をしていない世代は、世界規模でその大流行にまきこまれることになりそうです。



かつて、死病と恐れられていた「肺結核」、治療法が確立されたため、現在では怖がらずにすむ病気になってしまいましたが・・・・・これも、治るんだから大丈夫だ・・・・・と油断していると、病気そのものは無くなってしまったわけではありませんから、思わぬところで、感染してしまうというケースがあるようです。
空気感染ですから、甘くみているとたいへんなことになりかねません。
集団感染をおこさないようにするためには、ひとりひとりの認識がたいせつなのでしょう。



「はしか」「ふうしん」「おたふくかぜ」・・・予防接種の普及で、過去の病気と思われがちな場合が多いですが、これらも無くなってしまったわけではありません。
今回の「はしか」流行もそうですが、問題はまだまだ残っています。

健康管理は充分にしたいものだと思います。




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