ヴァレンタインディの話


私が子供のころから、2月14日は、女性が好きな男性にチョコレートを渡して、愛の告白をする日・・・ということになっていました。
「チョコレート・メーカーの戦略だ!」
と、悪口をささやかれながらも、このイベントはネタの少ない2月の「お祭」として、しっかり定着し、「家族チョコ」「にもチョコ(ついでだから、○○さんにもあげる・・・ってチョコです)」「義理チョコ」「業務用チョコ」・・・どこに行っても、チョコレート・バラまき状態ですね。

実のところ、昨今では、女性から「愛の告白」をすることなんか、ちっとも珍しいことでもなんでもなく(笑)、もしも本気であるのならば、こんなイベントに乗っかることはないのかもしれません。
どっちかというと、お中元お歳暮に近いイベントになってしまっているのでしょうか?

それでも、男性の立場としては、当日「義理」でもなんでもいいから「もらえるかどうか?!」は、関心事、重大問題であるようです。
私の勤務先だった某国立(当時)研究所では、14日に限り、やたら多くの男性職員が特別の理由もなく「受付」の付近をウロウロしている姿が目立ちました。
そう、受付がある部屋には、受付の女性+秘書・事務員など、女性職員がずらりと机を並べていたのです。
はなれた別の建物にある事務関係の「管理局」から、通常ならば係りの女性職員が届けにきそうな書類を、わざわざ意味もなく専門外の男性職員が配達してくるのもこの日でした。
(そこまでして、義理チョコを集めたいのかねぇ。)

普段、甘い物なんかまったく食べないように見える、辛党オンリー・のんべぇの先生様が、うれしそうにチョコの箱を見せびらかすように持ち歩いているのも、この日。

もともと、そういうイベントを知らないはずの外国からの研究者までも、この「日本独特の行事」のことを教えられると、プライド(?)にかけて「義理チョコ」をほしがるのも笑えてなりません。

はっきり言って、あれですよ。10月末のハロウィーン
お化けに仮装した子供達が、家々をまわり
「お菓子をくれないと、いたずらをしちゃうゾ!」
と言って、用意されている「お菓子」のプレゼントをもらってくるイベントと同じですね。
ハロウィーンの主役は、ちいさい子供達のはずですが、これが日本では、すでに「いい歳」こいた男性までまきこんで(というか、そっちが主役?)
「チョコレートちょうだい!」
と、2月14日に行われる・・・みたいなものですか?
まぁ、平和なイベントなので、文句つけるほどのことではないでしょう。
祭です、祭
なんか、新聞によると、女性へのアンケートでは「ヴァレンタインディなんか無用」という意見が70%もあったとか・・・って記事が載っていたんですけれどねぇ。笑
(正直、準備する女性の方だって、けっこう気を使っていたりするんですよ。)


ところで、本年度、我が家の息子は「高校の先生」1年目です。
社会人になって、初めてのヴァレンタインディです。
とりあえず、朝「家族チョコ」を渡しました。
(単身赴任の夫には、宅配便で届けることになっています。ほらね、女性だって気を使っているんですよ。)
夜、帰宅した彼は、なにやらコンビニエンス・ストアかなんかでもらえそうな「袋」をもっていました。袋は、不自然にふくれています。
中には、バラバラとした、ちっちゃなチョコの包みがゴロゴロ。

おぉっ!!
女子高校生から、チョコもらってきたんですか?!


やるな、息子。
義理チョコにしても、これは大手柄だぞ。
(チョコレート好きだから、きっちり食べるんだろうなぁ)

感心していたら、横から娘がボソボソっと発言。
「あれは、先生にもあげる・・・ってヤツ。」
「・・・?・・・」
「アニキ、国語の先生だから。」
「・・・???・・・」
「これが、数学とか、英語とかの先生だと、賄賂。」
「わ・い・ろ?!」
「3年X組○○番です。○○番をよろしく。おねがい、赤点つけないでねぇっ!!・・・っていうチョコ。年度末に成績で追い詰められた女子学生が使う最後の裏技。」
「・・・・・・・。」
「国語の先生の場合は、ほとんど、賄賂チョコはこない。」


ううう・・・、学生さん、あんた達も、いろいろがんばっているんだねぇ。

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