地域ネコ「なおすけ」の思い出


岡崎に住んでいたころ、家の近くをなわばりにしている地域ネコとなかよしになりました。
１７年くらい前の話です。


たいへんにおとなしく、かしこい猫で、付近の小さな子供たちからも好かれていました。
その地域猫が、家の近くにすんでいるノラネコの「なおすけ」を観察する・・・という科学絵本に登場する主人公猫（？）の「なおすけ」に似ている・・・という話が子供たちの間ででていて、いつのころからか、「なおすけ」と呼ばれるようになっていました。

実は、絵本に登場する「なおすけ」は、名前からもわかるのですが、オスの猫で、我が家の近くにいる地域猫のほうは、メスだったのですが、子供たちは、いっこうにそんなこと気にしている様子はありませんでした。


この「なおすけ」さん、ちっちゃな子供たちがかまいにきても、鷹揚に構えて、怒ったり、ツメを出したり、ましてや、かみついたりなんかしない猫だったので、だれからも容認されており、猫好きからはエサなどをもらって、優雅に暮らしていました。

ただし、人間相手には優等生だったのですが、猫の世界ではどうやらトップクラスの大物だったらしく、その「なわばり」は、かなりの広範囲におよんでいたようです。


この地域ネコ「なおすけ」の名前が、現在私のHNになっている・・・というわけです。

秋の日差しの中の白黒猫　笑
こっちの角度から写すと、アンバランスに長い尻尾が
よけいに目立つから、やめてもらいたい・・・
と言いたげでした。

地域のボス的なネコである「なおすけ」は、いつでも自信満々に歩いていました。
長い尻尾をとてもエラそうに、まっすぐ上にピンと立てて、のしのしと歩いている姿は、小さな猛獣と言っても良かったと思います。

でも・・・・・・ある日、彼女に思いもよらない事件が起こりました。

私が同じ集合住宅に住んでいるYさんと、立ち話をしていた時のことです。
Yさんには、当時１歳になって、歩き始めたばかりの息子さんがいました。
この日も、１歳のボクちゃんは、お母さんの近くで遊んでいたのです。

そこに、たまたま、「なおすけ」が通りかかったのです。

ふむ、元気かニャ？

そんな感じに、やってきた「なおすけ」は、ごく自然に私たちの近くに立ち止まりました。
ほのぼのとした光景ですね。
おばさん２人と、１歳のボク。そばに、大きなネコがいる・・・・・・

事件は、その時に起こったのです。

１歳のボクちゃんが立った、ちょうど目の高さくらいに、ピンと伸びて、ふわふわと動く「なおすけ」の長い尻尾の先があったのです。
気になったんでしょうね。

赤ちゃんというものは、まず、なんでも「口」で確認しようとするものです。

ボクちゃんは、いかにも普通に、その地域ネコ「なおすけ」の尻尾の先に、パクっと噛み付いたのです。

ゲーム・コーナーでゲットしてきたクッション
表がスヌーピーの絵で、裏が肉球の形になっている

娘のお気に入りで、彼女専用のくつろぎ枕になっているのだが・・・・・

実は、時々、肉球の上で、本物の肉球持ちが丸くなっていたりするのだ

あんまりビックリすると、叫ぼうとしても、声って出ないものですね。

Yさんは、一瞬どうしたらいいのかわからない表情で、固まっていましたし、人間に噛まれてしまった「なおすけ」も、なにが起きているのかわからない・・・という感じ。

時間が止まる・・・・・というのは、ああいう瞬間のことなんだろうと思います。

時間が流れ出した直後、Yさんは、あわててボクちゃんを抱きかかえましたし、私は、いくら普段はおとなしいとはいえ、万一、噛まれたショックで「なおすけ」が、ボクちゃん相手に反撃に出ないように、ネコの方を抱きかかえました。
いやぁ、申し合わせたような、みごとな連携プレイ！　笑

まぁ、なんです、ボクちゃんから引き離された「なおすけ」は、それでもしばらく、自分に何が起きたのか理解できない様子で、ぼんやりとした後、私の手からポンと飛び降り、

もう・・・・、今後、私の尻尾に噛みつくんじゃありません！

というセリフでも言いたげにして、何事も無く去って行きました。


Yさんが、いそいでボクちゃんの口をキレイにしてあげてから、おもむろに２人で大笑いをしたものです。


昔から、「犬が人を噛んでも、普通の話だが、人が犬に噛み付いたらニュースである」と、よく言われます。
人間が、動物に噛み付くことはない・・・・・と思っていたのですが・・・・・・
小さいお子さんをお持ちのお父さん、お母さん、赤ちゃんの行動というのは、想像できない場合があります。
充分注意されたほうがいいのでしょうね。

この事件のボクちゃん、いまでは、立派なお兄さんになっているはずです。
きっと、こんなことがあったなど、覚えてなんかいないんだろうなぁ。

しばらくHPの入り口にあった写真

やたら足元にじゃれてきたので、はいパチリ

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