ボロぞうきんネコ


最初のネコとの「つきあい」は、自宅があった集合住宅のあたりを「なわばり」にしていた地域ネコが相手でした。

かなりの年数おつきあいして、ある日、文字通りそのネコがどこかに「消えて」しまってから約半年?
10月の金曜日でした。
前日の夜、かなり冷たい雨が降り、気温がぐんと下がった日でした。

近所の子供たちが、植え込みの中から、子猫を見つけたのです。
これがまた、とんでもなくきたないネコ!
栄養不良でガリガリの身体。ねずみの大きいヤツくらいで手のひらに乗るサイズ。
全体は、すでに何色のネコかもわからないくらい「使い古したぞうきん色」をしています。
身体には、ノミがうろうろしています。
風邪がひどいのか、鼻水でべしょべしょ、身体は震えています。
目やにで両目がろくに開きません。もしかしたら、失明しているかもしれない・・・という感じ。

一見して、井戸端会議中の大人たちは、
「あぁ、こりゃ、一晩もたないわ。」
と心の中で思っています。
でも、見つけた子供たちは真剣そのものです。
「なおすけのおばちゃん、なんとかして!」
    なんとか・・・と言っても、なんとかできるのは、神仏の力って分野なんですが・・・

注:なおすけというのは、「消えて」しまった地域ネコの通り名でした。そのネコさんとつきあっていたので、子供たちからは、私が「なおすけ」の「おばちゃん」と呼ばれていたわけです。

正直な話、その集合住宅は犬・ネコ・ニワトリ・ウサギなどのペットは禁止だったのです。
でも、「緊急避難」は別の話。
見るからに「病気で苦しんでいるネコ」を
「捨てていらっしゃい!」
と放置させて、それが翌朝、その付近に死体になってころがっていたりしたら・・・・・せっかく、助けてやりたいと考えたやさしい子供たちの心が傷つくに違いありません。
私は、その「きたないネコ」を引き取りました。

間違いなく、今夜中に子猫は死んでしまうでしょう。(それくらい、ひどい状態でした)
明日になったら、看病したけれど、かわいそうだったね・・・と、子供たちに説明して、お墓を作り、花をそなえればすべてが終わる・・・・・・そんな感じだったのです。


ところが・・・・・・・

野生の力は、偉大だった・・・・・


だれもが、サジを投げそうな子猫は、きっちり生き延びてしまったのです。

         
               私が、偉大な野生猫さんです

近所の獣医さんは、最初に「飼うのかどうか」を確認した後、ネコにむかって
「おまえは、運のいいネコだ。」
と、ささやいていました。

風邪薬をもらって、ノミ取り薬をぬってもらって・・・・・・ボロぞうきんネコは我が家のネコになりました。
経過を知っているので、近所の奥さんたちも、口をつぐんで「ないしょ、ないしょね」。
(その家を引っ越す時には、責任を取って、ヤバそうな場所は、完全に手直しをたのんで出てきました。笑)

お湯で身体を洗ったら、そうかぁ、おまえ、白いネコだったんか・・・・・・
      笑えないねぇ。

              
           なんとかと、なんとかは、高いところが好き・・・

どこかで洋ネコの血(ヒマラヤン?)がまじっているらしく、やがて少々長めの毛が生えそろいました。
でも、顔には、トラネコの血が濃くでて、まるで眉間にいつも「しわ」をよせているような、奇妙な表情。笑
なぜか、シッポだけが白と茶色のリング状しましま。
おまえは、ワオキツネザルか、アライグマか?・・・・・と聞いてみたくなるような、アンバランスないろどりです。

名前だけは、なんと、源氏物語の「女三の宮」からいただいて、ミヤちゃんとつけました。
(この名前、当時日本文学関係を専攻していた大学生の息子からの提案です。)

目玉は、最初あまりにもチビだったので、水色でも普通かなぁ・・・と思っていたのですが、成長しても黄色にならず、水色のままです。これも洋ネコの血かな?
両目はやがて無事開きましたが、きっちり視力があるのかどうか・・・・・実は、たまぁに疑問を感じることもあったりします。

            
            ネコの前脚って、意外と長いんですね

引越しをして、平屋に住むようになってからは、自分で窓を開けて、勝手に外出したりしていますが・・・・・どうやら、ものすごく弱虫ネコであるらしい。
喧嘩しても、絶対負けるのだから、近所のネコ相手によけいなちょっかいを出さないようにしていればいいと思うのに、口げんか程度は始終やらかすらしい。汗
もちろん、その結果、ものすごい勢いで逃げ帰ってくることになります。

虫とか、小動物を捕まえることは上手。
(少なくとも、片目だけは、しっかり見えているのだろう)
でも、正直、そういうのって人間にとっては迷惑でしかない。
取るのはいいから、持ち帰って、そのへんに放置しないでもらいたい!!


ありがちな話で、デジカメには、ネコの写真ばかりがたまっていきます。
でも、最初あまりにも「ボロぞうきん」状態でやってきた猫だったため、普通ならば、1番かわいかったはずの、ころころ毛糸玉こねこ写真がまったくありません。

まぁ、あまりにも悲惨な状況であったため、人間に拾われた・・・と考えれば、
「別に、子猫時代の写真なんか、いらないわよ。」
と、彼女は思っているのかもしれません。


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