問題は私?DS?それとも・・・

絶対音感トレーニングDS


先日、Kさんとのメールのやりとりの中で、絶対音感の話が出ました。

絶対音感   どういうことなのか、ご存知でしょうか?

辞書で調べると、ある音の高さを他の音と比較しなくても識別ができる能力のことであると説明されています。
大雑把に考えると、なにかの音を聞いたら、それが、ドレミ・・・・・のどの音なのか、聞いただけでわかってしまう能力みたいなものでしょう。

うっかり、手から落としたコーヒーカップが床に落ちて、割れてしまった。
    カッチャ〜ン!
絶対音感がある人は、この「カッチャ〜ン」という音を聞いただけで、その音の高さがわかってしまい、その場にピアノかなにかがあれば、鍵盤をつかって、「カッチャ〜ン」と同じ高さの音を表現してしまえるようです。
どんな種類の音でもいいわけで、パトカーのサイレンの音(ピーポーとか、ファンファン)、踏み切りの遮断機の音(カンカンカン・・・)、なんでも再現できてしまうと聞いています。

たとえば、音楽の分野をめざそうとするのならば、音に対して敏感であるほうが有利です。かつて、私が知っていた子供用の音楽教室では「聴音」の練習の時間というものがあって、これが「絶対音感」を身につける訓練みたいな役目をもっていたのではないかと思っています。


この「絶対音感」、だれもが持っているというものではありません。
本職の音楽家であっても、持っている人もあれば、持っていない人もある・・・・・そういうものであるらしいです。

私は、持っていません。
子供音楽教室でも、「聴音」の練習は大の苦手でして、本人の努力や訓練によって入手できてしまうものではなさそうだと思っています。

つまり、生まれつきそういう音感を持っている人と、持っていない人があることになります。

絶対音感を持っている人というのは、一般人が
「明るい場所であれば、目で物を見ることができる」
「とんでもない騒音の中でなければ、いろんな音が聞こえる」
という、普通の感覚と同じようなレベルで、いろんな音の「音階」がきっちりと把握できてしまえるものらしいです。

絶対音感というものを持たずに生まれた場合でも、幼少時に専門的な指導を受ければ、それに近いものを身につけることはできると思われます。
子供音楽教室の「聴音」の練習は、これをねらったものなのでしょう。




Kさんの話によれば、ご家族に、この絶対音感をもっている方がいらっしゃるのだそうです。

その方は、特別にピアノなどの訓練をしてこられたわけではないようなのですが、むずかしげな名曲を耳で聞いただけで、おなじ旋律を再現できてしまうそうです。
音楽関係の専門家でないのが、もったいないような話です。

Kさんが、ご家族の近くでポケモン・ゲームをプレイしていると、野生で出現したポケモンがバトルの最初に一声鳴いた時点で、
「ピカチュウ。」
とか、正確に言い当てることが可能だそうです。

たぶん、絶対音感がある人がその気になってポケモンの名前と鳴き声を記憶しようとしたら、490分の1で、どれかのポケモンの声を聞かせたとしても、百発百中で区別ができるのだろうと思います。

私なんかは、しょっちゅうポケモンの声を聞いているにもかかわらず、区別がつくものといったら、ほんの数例しかありません。
ルージュラ、サーナイト、コロトック、スリーパー・・・・・・・
これ以上もなく、特徴的なものしかわかりません。
真剣に「覚えよう」としたこともないのですが、おそらく、覚えようとしても、簡単に覚えられるものではないだろうと考えています。

そういえば、以前、ポケモン図鑑を見ることができる玩具で、ボタンを押せばそのポケモンの鳴き声が流れるというものがありました。
その玩具には、「ポケモンの鳴き声あてゲーム」みたいなものがついていたのですが、ためしにやってみても、私には、まったくわからない。
あ・・・聞き覚えはあるなぁ・・・というのが、せきのやま。
これを、近所の子供たちのところでやったら、スラスラと正解できてしまう子がいて、ビックリしたものです。

「なんで、わかっちゃうの?」
「わかるもん。」

という説明だったのですが、これは、きっと、単にポケモン・ゲームに親しんでいるだけではなく、絶対音感の持ち主だったのであろうと、今にして思うわけです。




こんな、メールのやりとりをしていて、最近、ゲーム販売店で絶対音感に関係したゲーム・ソフトを見かけたことを思い出しました。
それが、「てのひら楽習 絶対音感 トレーニングDS」です。

全年齢対象のソフトですが、メインのターゲットは年少者でしょう。
(大人がプレイしてもいいのですが、前にも書いたように、この種の練習は年齢が低い間に受けておかないと、効果が期待できません。)
お子さんに、ゲームを通じて音に対する興味をもたせ、絶対音感(に近いもの)を身につけさせよう・・・・・という親御さんが購入するのではないかと思いました。

(プレイする子供本人が、がんばってお小遣いをためて、購入するソフトには、見えなかったなぁ・・・)

その時は、この年齢になって、いまさら、その種のものが身につくものでもないし・・・とスルーしちゃったんですが、メールのやりとりをしていて、気になってしまいました。

買出しついでに、ゲーム販売コーナーに行ってみたのですが・・・・・すでに、ありません。

見つからないと・・・・・・・よけい気になるものですよね。

絶対音感を持っているというKさんのご家族がうらやましくなっちゃっているわけです。
ないものねだりの一種だとは、わかっているのですが、あのソフトをプレイしたら、それに近いなにかが得られたりするんだろうか?
だったら、やってみたいなぁ・・・・・ってなもんです。

ゲーム専門店とか、ウロウロしてみて、中古ソフトを発見してしまいました。
発売されてから、まだ2ヶ月たっていないんですけれどね。

それって・・・・・微妙。

まぁ、USED価格ということで、安価ですから、ゲットしてしまいました。
さて、内容は、いかに?




予想どおりの年少者ターゲット・ソフトですから、案内役は、クワガタムシ(?)のツマミちゃん。



絶対音感トレーニングDS 取り扱い説明書のイラスト
くわがたツマミちゃん とっても かわいい!

ラレコ氏の人気Flashアニメのキャラ 元気な女の子です


絶対音感とクワガタムシに関係があるのかどうか、つっこみを入れてはいけないんでしょうね。


選択できる「あそび」は、「おとのレッスン」と「リズムであそぶ」。
この「おとのレッスン」の方が、絶対音感をみがくためのレッスンといえます。

レッスンには、「わおん(和音)」と「たんおん(単音)」があるのですが、最初から利用できるのは、「わおん」の1つめのグループだけです。

これは、ドミソ、ドファラ、シレソの3つの和音を合計4回聞いて、そのつど、それがどの和音であったのかをあてるゲームです。
4つとも正解できると、テストが受けられることになり、そこでやはり4問正解すると、新しい和音グループが1つ追加されることになります。

今度は、ミソド、ファラド、レソシの3つの和音を4回あてることになります。
全問正解し、さらにテストでも4つ正解できると、次のグループが追加・・・・・こうして、どんどん、いろんな和音グループが増えていくことになっています。

あたりまえの話ですが、このゲームは、静かな環境の中でプレイしないと、どうすることもできません。
まわりがザワザワしていて、
「え、今の音、聞こえなかった!」
なぁんて状態では、お話にならない。

できれば、イヤホーンを利用した方が確実かもしれません。



この「あそび」、ものすごく単純なんです。
でね、わかる人には、なんの面白みもありません。

ポーンと和音が響いて、それがどの和音だったのかを、タッチペンでチョンとつついたら終わりなんです。
どんどん、どんどん進んでしまいます。
(おそらく、絶対音感がある子供がゲームをしたら、あまりのつまらなさに、即時、投げ出してしまうことでしょう。)

逆に、わからない人にとっては、これまた、なんの面白みもないんです。
何度か試行したら「わかるようになる」という保証がある世界じゃないからです。

この点については、ゲームのパッケージに
本ソフトによるトレーニング効果には個人差があります。また、本ソフトは絶対音感を身につけることを保証するものでは有りません。
と、明記されているのですが、実際、「計算ドリル」「漢字の練習」などを繰り返し行って学習の成果を上げよう・・・・・という話とは、まったく別と考えたほうがいいでしょう。



ためしに、やってみたのですが・・・・・・・

私は子供のころ、音楽教室でオルガン(このへんが、時代を物語っていますなぁ。ピアノが一般家庭に普及する前の話です)や、ピアノを練習したことがあったので、和音もちょっとだけなら聞き取りができます。
最初のころのグループなら、なんの問題もなく、正解できてしまいます。
わかるからです。
そのあたりだと、ちっとも、面白いゲームではありません。

やがて、和音のグループが複雑になっていきます。
ある時点で、正解できなくなります。
わからないからです。
何度か繰り返してチャレンジしても・・・・・・そう簡単に、わかるようにはなりません。
正解できなくなった時点で、ゲームの進行は、まったくなくなってしまいます。

ここで、「音」に対する興味が出て、

わかるようになりたい!

と思った場合には、ゲームをプレイした意味があります。

より、専門的な練習をすれば、希望する成果が得られるかもしれません。
   (これが、このソフトの存在価値そのものなんですね)

でも、興味がでるとは限らない。苦笑

「わかんな〜い。」
「つまんな〜い。」
「やめ、やめ。」

こういうケース、多いだろうと思いますよ。

そんな時、ゲームを買い与えた親御さん、まちがっても、
「やれば、できるのよ。つづけなさい!」
なぁんて、言っちゃダメですよ。

なにしろ、やれば、できるかどうか、わかんない話なんですから。

別に絶対音感を持っていなくても、充分音楽などを楽しむことはできるんです。
絶対音感はないけれど、すてきなプロの音楽家、いっぱいいます。

ゲームの形なら大丈夫だろうと、無理やり「面白くない」ものを我が子に押し付けてしまったら、音楽そのものを嫌いになってしまうかもしれません。それじゃ、逆効果。
この点だけは、きっちり押さえておいてもらいたいと思うところです。




このソフトの「あそび」には、もう1つ「リズムであそぶ」というものがあります。
リズムと絶対音感とは直接関係はないと思うのですが、音楽を楽しむために「リズム感」があることは、重要なことになるでしょう。
それで、ツマミちゃんが演奏するリズムをまねしてタッチペンを使うゲームが入っているのです。
(タッチペンで下画面をたたく以外に、LもしくはRボタンを利用することもできます。が、ハッキリ言って、LRボタンでは充分な作業はできないだろうと思います。)

こちらも、最初は1つめの問題しか挑戦することができません。
ツマミちゃんと同じリズムで、下画面をたたくことに成功する(100点満点を出す)と、新しいリズムが追加されることになっています。

次々に新しいリズム問題に挑戦して、100点満点をだせば、より複雑なリズム問題を楽しむことが可能になります。


この「あそび」も・・・・・・結構、微妙。


わりと単純なリズムだと思うんですよ。
タッチペン1本でたたくことができるリズムなんですから。

でも、ちっとも進まない。

単に、私がものすご〜く、ヘタッピだ・・・というだけなら、笑い話なんですけれどね。


去年の夏、一時「リズム天国」にハマりまして、そこで、音ゲー関係をプレイする場合、自分が気持ち早めにボタンを押してしまうタイプだということを知りました。
それを頭に入れておいて、いろんな音ゲーをプレイすると・・・・・確かに効果があるらしく、ある程度満足できるところまで楽しむことができるようになっていたのです。

つまり、自分は、どうにもこうにも、救い難いようなリズム音痴という存在ではなさそうだと判断していたんです。
その私が、それほど、むずかしいリズムではない・・・きちんとプレイできた・・・と思っている問題なのに、ちっとも満点を取ることができないのです。

満点が取れなければ、同じ問題をいつまでも繰り返しプレイすることになりますから、手先だって慣れてきます。
より、上手にプレイできるようになりそうなものなのですが・・・ダメ。

単調きわまりない作業ですから、飽きがくるのも早いンですね。
これ・・・・・他の音ゲーとかリズム・ゲーと比較して、判定基準がものすごくシビアなんでしょうか?

まぁ、判定がシビアなのが原因であれ、私がヘタッピなのが原因であれ、ダメだと言われることはしかたがないのですが、問題は、なぜダメなのであるかがわからないことです。

ダメだった場所は×印で表示されているのですが、理由は説明されません。
たたくタイミングが、早すぎるんだよ・・・・・とか、遅れたよ・・・・・とか、たたき忘れたよ・・・・・とか、解説がほしいところです。
(おそらく、年少者がターゲットなので、いちいちゴチャゴチャした解説があっても、あまり意味がないと判断されたのではないかと思うのですが・・・)

ただもう、「やりなおし」とだけ言われつづけたら、さすがに、やる気が失せてしまいます。



トレーニング・タイプのゲームとはいえ、もう少し、プレイヤーの意欲を引き出させるような展開にしておいてもらいたかったなぁと思うところです。
改善の余地あり・・・これが、プレイしてみた感想ですね。




   もどります



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