とりあえず「いいえ」と答えた時代もあった

かつて、RPGゲームでは、物語の途中で何らかの依頼を受けた時、選択肢の「はい」を選ばないと話が進まないことが多かったです。
でも、よほど特殊なゲームを除いて「いいえ」と答えても特別問題は起きないのが普通でした。
だって、話は進めたいけれど、まだ少々レベルに不安があるような時には、一度依頼をことわって、どこかでパーティを強くし、その後で話を進めることもあるでしょう。依頼をことわったくらいで話の流れが変わってしまったら困ることにもなりかねません。
なにしろ、使用できる容量が決まっているので、あまり多くのイベントを用意することができない時代でしたから。

つまり、初期のTVゲームの選択肢というものは、
「先に進んでいいかい?」
と聞かれているわけで、それにプレイヤーが「はい」「いいえ」と確認の返事をだすためのものだったのでしょう。

もっとも、ファミコン時代でもウルティマの何番だったかみたいに、うっかり適切でない「答え」を選択してしまうと、後がたいへんなことになるゲームもありました。
近年のゲームの中には、どの選択肢を選んだかで、まったく別のルートを進むことになるゲームもあります。どんな選択肢でも、いいかげんに「答え」ずに、ちゃんと考えろってことですかね?

ゲーム史上(?)一時期わざと「いいえ」と答えると、製作者がちょっと面白そうな反応というか、セリフを用意しておいてくれることが流行った時がありました。
そのせいか、私のまわりの人々は、とりあえず「いいえ」と答えてみよう・・・という、ずいぶん「ひねくれた」ゲーム展開ばかりをしていたことを覚えています。
時々、思いがけない方向に話が動くこともありましたので、FF2以来「素直じゃなくなった」私にとっても、とりあえず「いいえ」と答えるのは、すっかり普通のことになっておりました。

「ひねくれ」も徹底すれば力になるのか、私が初めて「真・女神転生 if」をプレイした時のパートナーは、物語の真相を1番詳しく知ることができる女性(玲子さん)でしたし、2周めでは、さっさと「隠しキャラ」というか「アキラ」君が隣に立っていました。

固定パーティメンバー+1名でプレイすることになる「ペルソナ」の時は、どちらかといえば「隠しキャラ」扱いだった城戸玲司君が最初からあたりまえのように+1名で参加していたりします。
いったい何度、同級生の「仲間になってやろうか?」というおさそいに「いいえ」と返事したんでしょうねぇ。笑
    普通、こういうことを最初からやるかい?

選択肢の選び方が、その後のゲーム展開に影響を出し始めたのは、いつごろのことだったでしょうか?
まずは、ハードの変化があり、その後だったのでしょうね。

ロマンシングSaGa(スーパーファミコン)のようにスタート時にまず主人公の選択から始まり、途中のイベント選択にもかなりの自由度をもたせたゲームが成功したのも、そういうことが「できる」時代になったからなのでしょう。

「選択肢」が「影響」するということがゲームの売り文句になると、今度は選択肢によってどう変化するのか、やたらしつこく確認したくなるのが私タイプの「ひねくれ者」?
SaGaの時は、全部のキャラを主人公にしてゲームをやりまくりました。
その結果、どの時点でどの場所に行けばどんなイベントを発生させられるかがわかってしまい、結局最後の方の2名くらいは、自分が望むとおりのルートでエンディングを見られるまでになっていました。
これだけ遊んでもらえれば、製作スタッフの方も満足していただけることと思っています。
まぁ、家族に言わせると、単にしつこかっただけであるみたいですが・・・。

ゲームの本筋は変わらないが、どの「答え」を選んだかによって、登場人物間の好感度が変化するというゲームも出現しました。

私がこの種のゲームと最初に出合ったのは、ファイナルファンタジー7です。
この物語には、あちこちの会話にやたらと選択肢が出てきます。
たいてい、どれを選んでも物語はさっさと進んで行くのですが、これらがやがて「ゴールドソーサー」での「デートイベント」の相手を決定する大事なカギだったのです。
実はその「デートイベント」にしても、誰が相手だろうが物語の進行にはちっとも影響しないことなんですけれどね。

選択肢の選び方によって、ゲームに登場する女の子3人のうち、だれがデートの相手になるのかが決まる・・・。
「興味ないね」が口癖の主人公ですが、プレイヤーとしては「興味ある」じゃありませんか。
この時もしつこく実験を繰り返しまして・・・3人全員とデートさせることに成功しました。
それどころか、どう考えても「デート」ではないのですが、男性ユニットであるバレットが相手として選ばれ・・・
「おめえよ〜、オレと花火見てたのしいかぁ?」
「楽しいと思うか?」
「それならよ、どっちか誘えば良かっただろうが!」
と説教されたり、
「おまえみたいなワケがわからないヤツにマリン(バレット氏の大切な養女。設定上ちっちゃな女の子です)は、やれねぇ」
とピンボケのセリフをかまされるシーンまで見てしまいました。

「手がトロくて」「ひねくれて」「しつこい」ゲーマーの誕生ですな。

こういうしつこい努力(?)あってか、FFXの好感度イベントでは、結構簡単に予定ユニット全員と「アイスモービル・イベント」を見ることに成功しました。
FFX−2の選択肢とイベントのつながりに関しては、アルティマニアが発売されても
「知っていることしか書いてないなぁ」
と感じるくらい、ありとあらゆるイベントの出し方を知り尽くしていました。
まぁ・・・「何周やったんだよっ」という、あきれ返った家族の声が聞こえないこともないんですがねぇ。


こうして、今考えてみると、とりあえず「いいえ」と答えてみることが流行した時代というのは、ゲームの中に用意されているものを、できるだけ知っておきたいというプレイヤーの気持ちの表れだったのでしょうね。
「はい」を選べば物語が進んでしまう。だから先に進まない場合のやりとりを見ておかなければ、せっかく用意されたものを見逃してしまう。
じゃぁ、まず「いいえ」を選ぼう。

自分がプレイしているゲームのすべてを知りたい。
これが「ひねくれ」た選択をはやらせた本当の原因だったような気がしてなりません。
やっぱり、当時のひねくれゲーマー達は、ゲームすることが大好きだったということになるのでしょうか。

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