ポリゴン事件

今回の「ポリゴン」は、ポケットモンスターに登場する「ポケモン」の種類名です。

かつて、TVアニメーション「ポケットモンスター」を見ていた視聴者のなかに、気分が悪くなった人が続出する・・・・・という事件がおきたことがあります。

1997年12月のことです。
「ポリゴン」という種類のポケモンが登場するお話で、俗に「パカパカ」と呼ばれているアニメの技法が、物語の後半部分に特に多数使用されている作品でした。
TV画面を見ていると、きわめて短時間に光の点滅が何度もくりかえされ、その「チカチカ」する画面のせいで、気持ちが悪くなったり、症状のひどい人は一時的にたおれたそうです。

この現象のせいで、TVアニメ「ポケットモンスター」は、一時放映中止。
     この時、ファンの子供たちは、とってもがっかりしたんだよ!
この38話は、ケツ番扱いとなってしまいました。

アニメを製作する会社側は、この事件以後、画面の光点滅についていろいろの研究を重ね、同じような現象が起きないよう、対策をたてているようです。(これは、ポケモン・アニメに限ったことではありません。)

この事件は新聞などでも大々的に発表され、もし、家庭用ビデオに録画されていても、見ないように・・・・・という注意が繰り返されました。
現在、ポケモンのアニメを市販ビデオなどで入手しようとしても、当然この38話だけは購入できません。幻の作品になってしまったわけです。

でもね、たまたまこの38話をビデオ録画していた人は、結構いるわけで・・・・・・健康に害があるかもしれないものを、あえて見ることはないにしても、今でも、「消される」こともなく、たぶん、あちこちに残っていることになります。


実は我が家でも、録画をしていました。
夜7時の放映ですから、主婦としては、おちついてTVの前にすわっていることができない時間帯なのです。それで、録画をしておいて、ヒマな時間にでも見ましょう・・・・・そういうアニメだったんですよ。
事件は翌朝の新聞で知りました。
・・・・・・う〜ん、見たら、ヤバいかな?・・・・・・・

そのまま、しばらくは、放置していました。笑
でも、事件の詳細がわかってくると・・・・・なるほど、そういう現象なのであるか?
見ちゃえ。

一応、部屋は思い切り明るい状態にしまして、いつでもTVをOFFにできるように、リモコンをそばに置きます。
で、鑑賞。
どうだったかと言うと、なるほど、その38話というのは、画面の光点滅が異様に多くの場所で使用されている話でした。
人気のTVアニメーションですから、おそらく子供たちが夢中になってTV画面を見つめていたことでしょう。
短時間に光の点滅が繰り返されると、それが「気持ちが悪い」と感じられることはわりと知られています。特に、体質によっては、チカチカに極端に反応する場合もあるらしい。
見ている子供たちは、そんなことは知りませんから、実際に「気持ちが悪く」なってしまうまで、アニメに見入っていたんでしょうね。
(もちろん、見た人全員が同じ反応をする・・・ということではありません。私は、普通に最後まで鑑賞していました。)

この種の「チカチカ」は、アニメーションに利用されているだけではなく、多くのTVゲームにおいても、演出上ひろく使用されているようです。
たとえば、RPGゲームで、敵モンスターと遭遇した瞬間、画面が切り替わってバトルシーンに移行する時・・・・・・画面がチカチカっと点滅するケースがよくあります。こういうシーンにも「反応」する人はいるわけです。
各種ゲームの取り扱い説明書に、プレイする場合は、部屋を明るくして、TV画面から、適度な距離を離れてやりましょう・・・・・というような注意書きがあるのは、危険防止のためなのです。
また、プレイしている時、気分が悪くなったりしたら、すぐ中止するように・・・・・という注意書きも、この「光点滅」に敏感に反応する体質の人がいることを念頭においているわけです。



この「ポリゴン事件」から、ずいぶん年数がたちまして・・・・・実に、しばらくぶりで、我が家にこの話題が登場することになったのは、娘の大学の講義のせいです。

娘は簡単に言って、目医者さんになるための勉強みたいな授業を多く学習する学科にいます。
「光点滅に関係する反応」についての、とても具体的な例として、この「ポリゴン事件」はよく取り上げられることであるらしいです。
で、先日、授業でこのアニメーションを実際に見たそうです。
勉強のために利用されるのですから、見る方も全員、危険性を承知の上で鑑賞することになります。なにかあっても、自己責任。まぁ、問題は起きないでしょう。笑
(なにしろ、その学校には、専門のお医者さんもいるわけですしね。)


授業で「ポケモン・アニメ」を見る・・・・・ということになって、学生さんたちが最初に考えたこと・・・・・
「へぇ、これがポケモン。かわいいじゃないの?」
    初体験の人の反応。
「ポケモンだ。なつかしぃ〜っ!」
    かつてのゲーマー、および、アニメ体験者の反応。

おいおい、君たちが勉強するところは、別にあるんだろ?
アニメそのものを、夢中で見ていて・・・・・どうする?

約8年半前の事件ですからねぇ、たいていの学生さんが、小学校4〜5年だったころの話。
うん、気持ちは、わからんでもない。



研究用のはずなのですが、なぜか、問題になった「光点滅」の部分だけではなく、しっかり、ちゃっかり鑑賞していたみたい。
普通、こういう場合、あらかじめ先生が、授業に使用したい部分だけをカットしてきて見せるのですが・・・・・・なんかねぇ、アニメの前半もあった。笑
      (ポリゴン事件で主に問題となったのは、アニメ後半の部分です)
それどころか、途中にはさまれているCMも全部あったそうです。
それって・・・・・・1本、丸ごと見たんじゃないの?


というか、そのビデオ、どこから持ってきたんだろう?
研究用に特別にお願いして、専門すじから入手した・・・という感じじゃないですね。
どっちかというと、一般家庭で普通に録画されたビデオに思える。

まさか・・・その授業をやっている先生が、実は隠れポケモン・ファンで、私同様に、たまたま38話を録画して持っていた・・・・・ってこと?
いや、むしろ、8年前、そういう事件を聞いて、急いで家庭で録画している人をさがし、ダビングしておいたのかな?


まぁ、本当にどうでもいいことです。笑




アニメ製作会社や、ゲーム関係のメーカーも、同じような問題が起きないように企業努力はしているはずですが、プレイヤーの「特別体質」という落とし穴もあります。
やっぱ、自衛手段は大事です。
TV番組を見たり、ゲームをプレイしたりする時は、
    明るい部屋で見る。
    画面から適度な距離をおいて見る。
    途中、休憩時間を入れる。
    気分が変だと感じたら、すぐ、止める。
健康のために充分注意するのがいいのでしょう。


追記:そういえば、この38話が録画されているビデオテープ・・・引越しのどさくさで、どこにしまいこんだのだろう?捨てた覚えはないので、きっと今でも我が家のどこかにあるのだろうと思います。

                                        もどります



SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送