俺の時代 (ファミコン ロックマン・シリーズ)

どの分野でも言えることでしょうが、ゲームの難易度というものはかなり範囲があるものみたいです。今、アクション・ゲームで難易度が高いとされているゲームは何でしょう?
近年では、ゲームに難易度の選択肢がついている場合があり、「上手なプレイヤーでなければ参加できない」などということは少ないのではないかと思います。
つまり、アクションが得意で上手な人は、ハード・モードなどでより腕をみがき、初心者はイージー・モードで同じゲームが楽しめる・・・これでなければ多数のユーザーを得ることはむずかしくなってきていると思います。

しかし、ファミコン時代、難易度が高く攻略がたいへんであるからこそ人気が高いというゲームが存在していました。
ロックマン・シリーズです。
基本的に横スクロールのアクション・ゲーム(時々上下の移動も必要)で、じゃまをするザコ敵をしりぞけながら、ステージの最後にいるボスをたおすゲームです。ボスに勝利すると、相手の攻撃方法を武器に追加することが可能なシステムで、特定の攻撃方法が弱点になっているボスも存在します。プレイヤーは、いくつかあるステージのどれから攻略すればいいのか、考えながらプレイするゲームでもありました。
このザコが容赦なくてねぇ(笑)私みたいな手トロ・ゲーマーでは、参加することさえ許されないむずかしいゲームだったんです。
私だけじゃありません、マリオ・シリーズならプレイできても、ロックマンはできない・・・そんな話はいくらでもあったんです。

アクション・ゲームをするために必要な手先の作業というものは、練習すればある程度まで上達します。しかし、個人個人の限界はあります。あまり年少者だと、手先の発達が充分でないのか、上手くプレイできません。また年齢が高くなると、どうやらこの作業能力は衰えていくものらしかったです。
どうやら、もっとも効率よくゲームができるのは、小学校の中〜高学年くらいだったようです。
当時、我が家には、ちょうどその年代のプレイヤーがいました。息子と彼の同世代の友人達です。
彼らは、私(高年齢)と娘(発達途上)が指をくわえてみている目の前で、いとも楽しそうにロックマン・シリーズを攻略していったものでした。悔しい!

しかし・・・・

祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。娑羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらわす。おごれる人も久しからず、唯春の夜の夢のごとし。たけき者も遂にはほろびぬ、偏に風の前の塵に同じ。

いや、平家物語を語っている場合じゃありません。
でも、いつの世も同じこと。息子にも落日はやってきたのです。

中学に進学し、勉強とクラブ活動が忙しくなった息子は、TVゲームからはなれていきました。
私は、ヘタなりに、新作ゲームなどをプレイしているので、近所の少年少女達との新しいつながりができてきます。たまには、小学生達が我が家にゲームをしに来ることがあります。
そんなある日、小学生達がロックマンを引っ張り出しました。
「これ、むずかしいんだよ」
うん、よくわかっているねぇ。おばちゃん、ぜんぜんできなかったんだ。
皆でプレイしてみる。なかなか進まない。
「やっぱり、むずかしいよ」
うんうん。
そこへ帰宅した中学生。ふむ、よし、コントローラーをかしてみなさい。

やってみたんですが、できなかったんです。つい、この前まであんなに簡単にできていたことができない。マップや敵キャラのデータなどは彼の頭に入っていますから、できないのは手がついていかなくなったためです。

   
ガァ〜〜ン!!


相当ショックだったみたいです。
はい、ゲーム世界の「老化現象」ですね。

この日、息子は名言を残しました。
俺の時代は終わった。」

中学時代に悟るとは、ある意味すごいです。

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