重い結末?
                                     (シナリオ上のネタばれがあります)


メイン・ストーリィをクリアし、さらにいくつかのダンジョンを攻略したことが条件で発生する「エンディング後」のシナリオの1つに、ゲンガーとサーナイトに関するものがあります。

このゲンガーは、メイン・ストーリィに「憎まれ役」として登場し、主人公を危機に陥れたり、「世界征服をしてやる」と公言したり、そうかと思うと物語の最後で主人公を助けてくれたり・・・いやもう、めだちまくっているあのポケモンです。
サーナイトの方は、かつて人間であったころの「ゲンガー」のパートナーだったポケモン。こまったちゃんの人間ゲンガーが自業自得で「キュウコンのタタリ」を受けそうになったとき、身代わりとなってタタリを受けてしまった悲劇のヒロイン?!です。
(ん?サーナイトの性別が、まったくわからないんですけれどね)
しかも、身代わりでタタリを受けたサーナイトを不憫に思ったキュウコンが人間ゲンガーに反省と謝罪のチャンスを与えようとしたのに、とっとと見捨てて逃げられてしまったという、おいおい・・・な、過去の話がからんでくる、いわば、メイン・ストーリィに関連のある最も重要な後日譚の1つです。

タタリ問題の後、ゲンガーに生まれ変わってしまった元人間は、ポケモンの世界で好き勝手な生活をしたあげく、巨大隕石が世界を壊してしまうかもしれない・・という事件に直面します。
この事件の途中で、いやがらせ目的で主人公の夢の世界に入り込んだ彼は、かつてのパートナー、サーナイトのやさしい心にうたれます。
「大切な友達だし、また、会えると信じている」
この言葉に涙した彼は、以後、影から主人公に協力し、世界の破滅を回避することに成功するわけですが・・・実は、サーナイトのタタリ問題はまったく解決していなかったわけです。
さて、はたしてゲンガーは、サーナイトのタタリを解き、汚名を返上することができるのでしょうか?!これが、今回のシナリオになります。


ある日、主人公は、憎まれ役時代にゲンガーとつるんでいたチャーレムとアーボがひそひそ話をしている現場に出くわします。
なにやら、最近はゲンガーが2人とは別行動をとっているらしい。
また、2人は、なにやら魅力的な新しいダンジョンを発見しているらしいのです。
このナイショ話は、1度に全部を聞くことができません。
何度かにわけて、ダンジョン攻略をしながら聞いていくことになります。
やがて、2人は、新しいダンジョンに出かけていくのですが・・・早々にアーボが脱落。どうやら、難易度が高い場所であったらしいのです。
アーボはダンジョンに取り残されたチャーレムの心配をしているのですが、案の定、チャーレムから救助の依頼が舞い込みます。

入る場合には、なぜかレベルが1からスタートし、お金の持ち込みができない・・・という、奇妙なダンジョン。そこでチャーレムが救助を待っているのです。
(このダンジョンは、実はとんでもなく深い場所までつづいているのですが、幸い(?)イベントでは20階層まで到達できればチャーレムを救出できることになっています。)
救助隊の到着に喜んだ彼女は、「どうしてもこれを無くしたくなかった」と言いながら、お礼に特別のアイテムをゆずってくれます。
(これは、このダンジョンの最深部で効力を発揮することになる重要アイテムですが、とりあえずゲンガーのシナリオとは関係がありません)

チャーレム救出に成功すると、いよいよゲンガーのうわさが入ってきます。
ゲンガーは、キュウコンに会いたがっているらしい。

しかし・・・「世界を征服してやるんだ!」などと公言していたにもかかわらず、実はゲンガーって、あんまし強いポケモンではなかったみたいです。
彼は、キュウコンが住む場所まで到達することが不可能だったんです。
ある日、救助隊基地にたずねてきたゲンガーが、「オレをキュウコンのところまで連れていってくれ」と依頼してきます。
しょうがないなぁ・・・
まぁ、この時点では、救助隊のメンバーにとって、キュウコンが住んでいる場所くらいは、楽々攻略できるレベルの場所のはずなんですよ。でも、いろんな救助をやっているとわかるのですが、「連れて行って」というケースの場合、その「付いてくる」依頼人を守ってあげる手間隙があるわけですから、結構めんどう!

でもね、メイン・ストーリィで、ゲンガーの心の動きを予想しているプレイヤーとしては、これを断ることはできません。
断れませんが・・・おいっ!!いくらなんでも、弱すぎるんじゃないか、おまえ!
あぁ、もう、うっとおしい。

ぶつぶつ文句たれながらも目的地に到達すると、予想通り、ゲンガーはキュウコンに
「サーナイトのタタリを解いてくれ」
とたのみこみます。
しかし・・・キュウコンのタタリというものは、なまやさしいものではなかったんですね。
「サーナイトは、身代わりとしてタタリを受けたのであるから、解いてやりたいのだけれど、私のタタリは強力すぎて、1度発動したら元にもどらないんだよ」
うっそぉ〜っ!!
ありか、そういうの?!

でも、もしかしたらチャンスがあるかもしれない。
キュウコンは、特別のアイテムを手渡してくれます。それを持って、ある場所を攻略し、最深部に行くことができればサーナイトのタタリを解くことができるかもしれない・・・というのです。
もちろん行くことになります。
ええ、連れて行くのは救助隊なんですけれどねぇ・・・涙

今度のダンジョンは、さすがに難易度が高いです。
ゲンガーという「お荷物」が、じゃまでじゃまで・・・苦笑。
ちょっと目をはなすと、そこいらのザコに戦闘不能にされてしまうし、うっかり移動すると、罠にひっかかるし・・・
おまえさぁ、そんなことで、よくも「世界征服」の野望なんて公言できたものだよなぁ。
復活アイテムをいくつ持ち込んだと思っているんだよ・・・
ついでに、いいところまで進んだら、「落とし穴」にひっかかって全部パーにしてくれるしさぁ!!!

(注:落とし穴  ダンジョンの罠の1つ。リーダー以外のポケモンがひっかかると戦線離脱になる、こわい代物。依頼人がひっかかると無条件で攻略失敗扱いにされてしまう。つまり罰則付きで1からやりなおしなんだな。)

「落とし穴」のチェックが甘かったのはプレイヤーのミスとはいえ、ゲンガーっていえば、ゴースト・タイプの最終進化状態の1つ。壁をもすりぬける種族の頂点に立つポケモンが、なんで落とし穴に転落するんだよ。
浮遊回避のテクの1つも使ってみせろってんだ!!
まぁ、飛んでいる鳥でもひっかかるかもしれないという「落とし穴」なんだから、グチ言ってもしかたがないんだけれどねぇ。

で、ようやく最深部に到着いたしました。
なにやら、小さな穴があります。そこにキュウコンにもらったアイテムを入れればいいのでしょう。
入れたのですが・・・何も起きません。
でも、なにかが話しかけてきたんです。

私は闇の審判。
ご心配なく。
あやしい者ではありません。


     あのぉ〜、充分「あやしい」んですけれどぉ。
     まぁ、こういう場面で、つっこみを入れてもいけないんでしょうね。

さきほど、封印を解放するカギが差し込まれました。
このタタリは、サーナイトにかかっているものですね?

    ゲンガー:すぐに解いてくれ!

いえ、そうはいきません。
その前に、あなたにその資格があるかどうかためさせてもらいます。
あなたの本当の気持ちを見せてください。


    ゲンガー:なんか ためされるのか?
          ボスが出てきて、戦ったりするのか?

いえ、そんな野蛮なことは、しないです。

     すみません。プレイヤーも、ゲンガーと全く同じことを考えちゃいました。
     私って・・・野蛮・・・。

質問に答えてくれれば、それで結構です。
ただし・・・
答えるのは、ゲンガーさん、あなたではなく、○○さん(この時の救助隊リーダー名)、あなたにやってもらいます。


     ゲンガー:なんでコイツがオレの気持ちを代弁しなくちゃならんのだ
           オレにやらせろ〜〜っ!!

     そうだよな。プレイヤーもそう思ったよ。
     そんなの押し付けられても、困るよねぇ。

あなたの心は、複雑に絡まっています。あなたは、本当の心をけっして見せないでしょう。
○○さんは、これからゲンガーさんの心の中に入ります。
ゲンガーさんの気持ちを上手く誘導してください。


     まぁ、ひねくれた回答をされるよりは、救助隊が答えたほうがいいかも・・・

もし、ゲンガーさんの本当の気持ちをひきだせなかった場合は・・・
タタリは、2度と解けないでしょう。

     まったぁ〜ッ!!
     それは、困るじゃん。

     ゲンガー:おい、適当なこと答えたら、承知しないからな!

チャンスは1度だけです



失敗しました。
慎重に選択していったはずなんですけれどねぇ。
たぶん・・・これは、どうやっても「失敗」することになっているイベントなのではないでしょうか?
だってねぇ、「闇の審判」が確認したいのは、ゲンガーの心。まわりの意見じゃありません。
追い詰めて、どうしても逃げることができない極限状態にして、そこでゲンガーをためす必要があったのだろうと思います。

タタリは2度と解けない・・・そう宣告されたゲンガーがあわてて発言を求めます。
今まで、未知の力で拘束されていた自分の身体をふりほどき、「闇の審判」につめよります。

たしかにオレは、サーナイトを見捨て逃げ出した。
タタリが自分にかかるのが怖かったんだ。
自分だけが助かればいい。そう思ったんだ。
しばらくして、オレはタタリのことも、サーナイトのことも忘れてしまった。
そして、たくさんの時間も過ぎていった。
しかし、サーナイトは、オレのことを忘れてなかったんだ。
ある晩、XXXX(ゲームの主人公の名前)の夢の中でサーナイトはこう言った。
大切な友達だし、また会えると信じてる・・・と。
サーナイトは、こんなオレでも思いつづけてくれたんだ。
それにひきかえ、オレは、なんてワガママだったのだろうか。
いままで、あたりまえのように生きてきたが、なんてオレは身勝手だったんだろう。
サーナイトだけじゃねぇ。
チーム○○○○(救助隊につけられた名前が入ります)だって、オレのワガママにつきあい、ここまで連れてきてくれたんだ。
ここに来て、やっとわかった。
オレに足りなかった物、それは、みんなに対しての感謝の気持ちだ。


ゲンガーの正直な心の叫びが告げられると同時に、周囲のなにかがはじけ飛びます。
サーナイトにかけられたタタリが消失した瞬間だったのです。

何もなかった場所にサーナイトの実体が出現します。
いつの間にやってきたのか、それとも彼自身が「闇の審判」の正体だったのか、キュウコンが登場し、サーナイトのタタリが消えたことを教えてくれます。
これで、無事、サーナイトをポケモンの世界に連れて帰ることができるのです。

ただし・・・
めざめたサーナイトは、以前の記憶を持ってはいない。
ゲンガーを見ても、それがだれであるのか、わからないはず。
それでも、いいか?

ゲンガーは、即OKします。
サーナイトが無事にもどってくれば、それでいい。

かくて、救助隊とゲンガーは、ポケモンの世界にサーナイトを連れて帰ることに成功したのです。
めざめたサーナイトは、初めて出会う「救助隊」のメンバーと、いっしょに救助に来てくれたゲンガーにお礼を述べます。そして、自分も今後救助隊の一員になりたいと希望してくれるのでした。

めでたし、めでたし・・・・
                  だったのでしょうか?



確かに、ゲンガーは、みごとサーナイトのタタリを解き、汚名を返上することができました。
でも、返ってきたサーナイトは、かつてのゲンガーのパートナーであった、あの時の記憶をいっさい持っていないポケモンだったのです。
ゲンガーとサーナイトの関係は、白紙にもどってしまったわけです。
すべてが1からのスタートになるのです。

なんらかの失敗は、後の努力でとりかえすチャンスがあります。
しかし、どんなに努力しても、時として、絶対にとりかえすことができない「もの」も、世の中には、存在している。これが、現実というものです。

おそらく、下は小学校の低学年の児童から、あらゆる年代のプレイヤーがひろく楽しんでいると思われるゲームの中に、ずいぶんと「重い」テーマが提示されていました。

まぁ、時間はあります。
白紙にもどってしまったサーナイトとの関係ではあっても、もう1度、やりなおすことで、ふたたび以前のようなすばらしい関係がとりもどせる可能性はあるわけです。
ゲンガーとサーナイトに、すてきな未来がもたらされることを願わずにはいられません。


なぜか、このイベントの終了後、救助隊に参加したサーナイトは問題ないのですが、ゲンガーの方が、どこに行っちゃったのか、さっぱりわからないことが、実は今も気がかりなんですけれどねぇ・・・汗。
ゲンガー、どうしちゃったんだろうか・・・

                                                   もどります



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