フランクリン・バッヂがほしくって

                                   MOTHER 3

春の初め、娘が情報を持ち込んできました。
MOTHERの新作が発売される時、初回限定特別仕様として、専用デザインのゲームボーイ・ミクロと「フランクリン・バッヂ」がセットになったものが登場する!・・・というのです。

近年、この「初回限定特別仕様」の類って、ずいぶんふえましたよね。
すでに、シリーズになっているようなゲームの最新作であれば、ファンがついていて、こういう限定バージョンをほしがることもわかるのですが、まったくの新作ゲーム、1本目であっても「特別仕様」ができてしまうあたり・・・それ、完売するんだろうか?・・・とよけいな心配をしてしまう私です。


この話を聞いた時、ゲームボーイ・ミクロの方はどうでもいいから(関係者さん、ごめんなさい)フランクリン・バッヂがほしいっ!!・・・と、思ってしまいました。

フランクリン・バッヂ
MOTHERをプレイしたことがある人ならば、必ずお世話になった記憶があるゲーム内のアイテム名です。
まだ、ゲームのわりと始めのあたりで登場するボスがサンダー系の超能力を使ってくるんですよ。これが、とんでもない大ダメージ技でして、全滅しかねないシーンです。
ところが、「フランクリン・バッヂ」というアクセサリーを装備していると、そのキャラクターは、雷に関する超能力攻撃が無効になってしまう。
いや、無効どころか、反射してしまうしろもの。
これで、そのバトルを突破できるわけです。

もちろん、この「フランクリン」、雷雲の中に凧を飛ばして、雷の正体が電気である・・・ということを実験で証明したベンジャミン・フランクリンさんの名前をいただいています。
今から250年くらい昔の話ですよ。
私が子供だったころは、この実験について、かなり有名な逸話になっていまして、子供用の伝記本などにも、しばしば紹介されていたものです。
ほら、実験方法そのものが、子供でも理解できるような、たいへんにわかりやすい方法でしょ?
ところが、だれにでもできてしまいそうな実験であったために、再現しようとした人が何人もいたんでしょうね。
再現することは簡単なのですが、想像してみればわかるのですが、相手は雷なんですよ。わざと落雷させる実験なんです。
1つまちがえたら、その凧を通して実験者に落雷したりして、危険そのものなんです。
実際、死者がでたんじゃなかったかな?
それで、危険回避のため、近年では、あまり紹介されなくなってしまった・・・と聞いたことがあります。
う〜ん、わかりやすい実験というのも、こういう問題にはまることがあったんですねぇ。

だから、もしかしたら、フランクリン・バッヂというアイテムは知っていても、名前の出所も理由も知らないプレイヤーさんは、結構たくさんいるのではないかと思います。
ちょっと、残念。
(実際、我が家の息子は、この実験の話を知りませんでした。)


我が家では、親子3名が、MOTHERおよびMOTHER2をプレイしています。
この、特別仕様の話を聞いたとたん、3名が3名とも、
「フランクリン・バッヂがほしい!」
と答えてしまったのだから、プレイヤーにとって、どれほど思い入れがあるアイテムだったのか、わかりそうなものです。

ゲームボーイ・ミクロの特別バージョンがついていますので、値段がそれなりに高くなります。
でも・・・ほしかったんだなぁ!
入手方法をさがして・・・ネットで予約できることがわかり、お願いしてしまいました。笑

たまたま、発売日は、私が入院中だったので、届いた箱を娘が見せにきてくれました。
ゲーム内の設定から考えて、もっと、ちゃちな「子供のおもちゃ」そのものみたいな物を予想していたのですが、これが、わりときちんとしたアイテムで、思わず笑ってしまいました。
もちろん、これを現実に装備して、雷雨の時期に外を歩いたとしても、雷よけには、まったく役にたつはずもありませんけれどね。

はい、大切に保管してありますとも。



この、フランクリン・バッヂですが、今回のMOTHER3にも、必須アイテムとして登場します。
途中まで、使い道もわからないまま持ち歩いている「だいじなもの」の1つを、人気者の「どせいさん」が、ピッカピカにみがきあげて、ゲーム終盤に届けてくれることになっているのです。
このみがきあげられた後の名前が、フランクリン・バッヂになるわけです。


今回のMOTHER3ですが、プレイしてみてどうだったか?・・・というと、
「良くも悪くも、MOTHERだった」
という感じですね。

前作2本とは、たぶん世界というか、時代というか、ちょっと違う設定。
でも、有名人などは、きっちり登場してくれます。
特別の文字で会話する「どせいさん」も、相変わらず、あの状態ででてきます。
こっちは「好きだ」・・・というプレイヤーは、もしかしたら、いないかもしれませんが、ザコ敵の「あれ」「あのあれ」も、きっちり登場。なんと、今回は、メタルの「あれ」まで出てきます。
なぞ多き「いちごどうふ」も、回復アイテムとして登場します。
どんな味なのかは、やっぱりわかりません。

独特のドラム回転式表示のHPも、そのままです。
敵から、致命的数字のダメージを受けても、即戦闘不能になるわけではなく、どんどんドラムが回転してHPが減少している途中で、回復作業が間に合えば、そのままバトルに参加できるシステムです。
まぁ、逆に、HPが全回復するアイテムを使用したとしても、即座に回復するわけではなく、これもまたドラムの回転を見ていることになるんですけれどね。笑

ゲーム攻略にまったく関係のなさそうなことばっかり「おしゃべり」している、一般人が実に多数いることも、相変わらずです。
その内容は、「子供がプレイしても、わかるのかなぁ?」というものが、これまた、あちこちにあったりして、笑える。
主人公が住んでいる村のどこかで、「まんざい」の練習をしている2人組みがいて、彼らは攻略にはまったく関係がありません。
名前が「えんとつ」と「アチャト」とかいうのですが、このネタ、もちろん「横山えんたつ」さんと「花菱アチャコ」さんからきていることがわかるとなると・・・いったい、プレイヤーの年齢は何歳なんだろう・・・と不思議に思ってしまいます。
私の家族ですか?
もちろん、知らないだろうと思いますよ。若いから。
知っている私だけが、若くないわけです。

こういう、前作からのひきつぎ事項は、「なつかしい」ですんでしまうのですが、さすがに済まないことがあります。

敵の強さのバランスですね。

このゲーム、プレイヤーが弱い間は、うっかり画面に見えている敵とぶつかると、付近にいた他の敵までが、バトルにかけつけてきて、面倒なことになります。
でも、やがて、レベルUPして、強くなってくると、とたんに、ザコが逃げようとしはじめる。
弱いと、接近してくる敵が、こっちが強いと、それをさけるように、どんどん逃げていってしまうようになるのです。
こうなれば、簡単。
よけいなバトルを回避することも、追いかけて、経験値をかせごうと、プレイヤーのやりたい放題になります。
こんな、「もう、充分強いねぇ」という状態になっても、さぁ、ではボスとバトルしましょうか・・・と、出かけていくと・・・、やたらボスが強い!!

手持ちのアイテム数は、いまどきのゲームとしては、たいへんに少ないです。
まちがっても、全部の登場アイテムを各99個もてます・・・なぁんてことにはなっていないのです。
回復魔法にあたる「超能力」によるHP回復は、各種あるのですが、このMPにあたるポイントを回復するアイテムが絶対的に不足しています。
そして、また、その回復ポイントがしょぼい。
(買えない。落とす敵が少ない。持ち物の数が少ない。三重苦。)
なんか、ボスとやるたびに、ボロボロにされてしまうのです。
(勝てればまだいいのですが・・・)

この、やたら強いボスのために、実に余計な時間をかけて、淡々とした経験値かせぎが必要になってしまうのです。
なんかもう、10年以上前のゲーム・・・って感じですね。

実際、前作のMOTHER2は、12年前くらいに発売されているわけですから、あのイメージのままでMOTHER3を製作したら、10年前のゲーム・・・になってしまっても、しかたがないわけです。

たくさんの本数を持つ、○○シリーズというゲームはありますが、ゲームごとのイメージを大切にしながら、どれも、新作になれば、時代とともに、いままでの問題点が改良されたり、「新しい」システムを取り入れているのが普通です。
でも、今回のMOTHER3は、この「新しさ」がありません。
「なつかしい」という思いは大切ですが、「10年前と同じじゃないか?」と感じるようでは、ちょっとまずいのではないでしょうか?

しかも、今回は、物語の性質上、いくつかの章で、最終的なパーティには参加しないキャラクターが主人公として活躍することになっています。
そういうキャラクターを育てるために要した時間は、後々反映されないんですね。
なんか、この時間がもったいない。苦笑

なかなか、メインの問題点が表面化してこないので、ようやく緊迫感がでてくるのは、第7章あたりです。
全部で8章のゲームなんですよ。
その7章じゃぁ・・・ちょっと、遅くありませんか?
そこまでのドラマが丁寧に作られている・・・と考えれば、いいことなんでしょうけれど。

ある程度まで、話がすすむと、以前の場所にもどれなくなってしまうのも、やり残しが気になったりして、いらいらのもとでした。
(セーブ、2本しかないんですよ。)

過去の2作をプレイしている人は、
「MOTHERなのだから」
と、ついて来てくれると思います。
でも、まったく初めてこのゲームを手にした、新しい年代のプレイヤーさんたちは・・・どう感じたでしょう?

今回は、最終バトルの「意外性」も、ほとんどありませんでした。
シナリオ的にも、攻略方法も完全に先読みできてしまいました。
「END?」マークの後、スタッフ・クレジットまでの間に用意されたプレイヤーへの「ご褒美会話」の山も・・・前2作ほどの感動はありませんでしたしね。

あれ、最後の選択肢(針を抜きますか?というあれです)に「はい」「いいえ」いずれを選んでも、同じ結末映像が待っているのですが、どうせなら、あそこで「いいえ」を選んだ場合、別の結末が待っていてもよかったのではないかと思います。
物語として、あそこで「いいえ」を選ぶ意味って、充分あると思うのですよ。

前の2作が、システムでも、シナリオ面でも抜群にすぐれたものであっただけに、期待が大きすぎたのか、私にはちょっと、がっかりな作品でした。

できれば、あまり時間をおかない近い将来において、充分の容量を利用できるソフトとして、「今どきのゲーム」としての新作「MOTHER4」が発売されることを期待したいところです。

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