探偵はみんな集めて「さて」と言い


                               かまいたちの夜 ×3


「かまいたちの夜」シリーズ、完結編ですね。

豪雪にみまわれたスキー場にあるペンション「シュプール」で発生した、恐怖の連続殺人事件!?・・・・・この続編(つまり2)が発売される・・・・・と聞いた時もかなりビックリしましたが、さらにその続編(完結編)が登場するとは、驚きでした。

まぁ、「2」の事件は、どうがんばって謎解きをしても、悲劇的エンディングしか用意されていないことになります。(メインの物語の話です)
正解ルートを選んで、無事主人公たちが生還しても・・・島で発生したやりきれない内容の連続殺人事件は変えようがありません。

このままでは悲しすぎる・・・・・・・
原作者やメーカーさんからそう考えられたのかどうかわかりませんが、今回の完結編は、いわばハッピーエンドが用意されていることになりました。
2の事件で、つらい体験をせざるをえなかったキャラたちも、ようやく救われる、そんな「完」がプレイヤーをホっとさせることでしょう。



1・2の「探偵役」は基本的に男性の主人公1人で行っていました。
しかし、今回の「探偵役」は1人ではありません。
主人公としてあやつるキャラは4人います。
しかも、最初スタートした場合、1人目の主人公は、どうにもあっさりと途中で殺されてしまうことになっています。
(もちろん、今回も、選択肢によっては、殺人事件のさの字も見えないままにゲームが終了してしまう・・・という場合もあります。お約束ってヤツですね。)
えぇ〜、これ、シナリオ上、絶対に発生する事件なので、まぁ、とりあえずあきらめて「死んで」もらいましょう。笑

はい、後で、「オカルトですか?大笑い死者復活物語」みたいなものが用意されていますので、1人目の犠牲者ファンの方は、それを楽しみにして、まずは「正解」ルートを探しもとめることになります。



1・2をすでにプレイしている場合は、できるだけ丁寧に「探偵役」の選択肢を吟味して、進んでいけば・・・・・・事件が解決してくれそうな気がしてしまうのですが・・・・・・今回はそんなに甘くありませんでした。

まず、タイトルから奇妙なんですよ。
「かまいたちの夜 X3」
すなおに「かまいたちの夜 3」でいいじゃありませんか?

この「X」が曲者なんです。

「完結編」を攻略するにあたって、それまでの経過をまったく知らないままだと、話の意味がわからないことになります。
そこで、まだ1・2をプレイしたことがない人(もしくは、ちょっと忘れてしまった人)のために、1と2のメイン・シナリオが攻略できるようになっているのです。

つまり、メインだけなら3本分のシナリオが攻略できる・・・これが「X3」の意味の1つ。

もう1つ、ここが重要なのですが、3では、最初にイベント上殺されてしまう主人公の他にいる3人の「探偵役」をうまくあやつって行動させないと・・・・・「正解」ルートにたどりつけないようになっていたのです。

1人の探偵をず〜っと追っかけて行っても、「終」にしかなりません。
「完」が見られないのです。
(このゲームの場合、「終」はバッドエンディング、「完」だとスタッフ・クレジットが流れるパーフェクト・エンディングということになっています。)

なぜか・・・というと、特定のキャラでないと、見つけることができないアイテムとか、解くことができない謎があるからです。
1人の探偵では、それらを見ることができませんから、「完」にたどりつけないのです。

じゃぁ、どうするか?
攻略の途中で、探偵役を交換していくのです。

○○時XX分に起きることは決まっていますから、だれかがその時刻に何かを見つけたり、行動をしたり、セリフを選択したりしておくと・・・・・別の「探偵」さんがその時刻を通過する場合に、選択された行動が反映されることになるのです。
「正解」ルートに到達するために必要になるキーポイントをおさえながら、上手に3人の探偵役を取り替えていけば、ようやくハッピーエンドにたどりつけるというわけです。


ここに気づくまでに、結構時間がかかりまして・・・・いやもう、無駄に「探偵」役を殺しまくってしまいました。
失敗が即、死亡につながりかねないあたり、あいかわらずの「かまいたち・・」なんですよね。苦笑

サウンドノベルの場合、すべての「終」を見る・・・というのも、重要な目的だったりしますから、多種多様の「終」を見てしまったことは問題ないのですが・・・・・・・どうせなら、まず「完」を見て、その後で、いろんな「終」を見たいわけですよ。
「完」を見ないで「終」ばかりが増えていくということは、クリアできていないままで、枝葉末節ばかりをプレイしている・・・・・・ということになっちゃうんです。

これが、別のゲーム、たとえば、この前までプレイしていたRPGゲーム、FFXIIみたいなものであれば、メインシナリオをほったらかしにして「モブ」だの「召還獣集め」だのに熱中していても、笑い事ですんでしまいます。
でも、「殺人事件」の謎を解かなければならない「探偵」が、メインシナリオの「完」にたどりつけない場合は・・・・・・
はっきり、きっぱり

無能!!

っつうことになっちゃうわけですよ。汗



何度か、いい線まで行くのですが・・・・・どうも、きちんと謎が解けない。
いやね、はっきり言って、途中で「犯人」も「トリック」もプレイヤーにはわかってしまうわけです。(何べんも失敗するわけですから。笑)
だから、せっかちな私などは、
「私が探偵役をやってあげるから、ゲームの中に入れてよ!」
と言いたくなるんです。まじで。

でも、そういうことはできませんから、しかたなく「だれ」で「どの選択肢」を選べば、希望している行動をとってもらえるのか・・・これを試行錯誤しながら見つけだすしかありません。


ここが、曲者でして・・・・・
どうも、選択肢がずらりと並ぶと、人間、その探偵さんに「なにかをさせたく」なってしまうわけです。

  A:○○○と言った。
  B:XXXと言った。
  C:なにも言わなかった。

こうなっていると、AとBは選択しやすいのですが、Cの「なにも言わなかった」は、無視しがちなのです。

  A:○○○があやしい。
  B:それは、XXXXXだ。
  C:わからない。

こうなっていると、Cを選択してはいけないような気がしてきてしまう。笑

でも、実際には、このシーンで「彼」がだまっていることが大切だった・・・・・ということもあるのです。
それまでの経緯をしっかり把握していれば「わからない」こそが正解・・・・・という場面もあります。

前シリーズ2本プレイしていますから、わかっちゃいたつもりなんですが・・・・・今回も、このパターンに何度もひっかかりました。


そして、延々試行錯誤をしまくりまして・・・・・・どうやら、今度こそ、「完」が見られそうな「場所」を見つけだしたのです。

俊夫さんの選択肢(22:25推理の場面)で、
     「・・・・・・・・・」何も言い返さずに黙っていた。
これを選んでおくと、透君の22:25推理の場面で、特定の選択肢が登場してくるしくみになっていたのです。
(俊夫さんが、なにかしゃべってしまうと・・・透君の推理場面が別方向に動いてしまい、失敗になるんですよ)

主人公を透君に変更すると、文字通り「謎解き」シーンが展開しまして・・・・・
うん、これだ、これですよ。
これを待っていたんです。
すでに、「私」は名探偵気分ですから、謎はすべて解けた!!つもりになっているんです。


A:なぜ、香山さんの部屋をマスターキーで開けられなかったのかということだ。

B:啓子ちゃんの鍵について考えてみた。

C:・・・・・・・・わからない。

C:管理人室に入ることのできる、本物のマスターキーは誰がもっているのだ?

A:犯人だ。

とっても順調に選択肢がつながっていきまして、ついに「犯人名入力画面」が開きます。
ふんふんふ〜ん、○○○っとね。(この○○○が知りたい場合は注1)

自信があるわけです。
ただ・・・・・・なぁんとなく、違和感を感じていたりする。笑

続いて、トリックの入力画面になります。
○○○○○○(注2)。よし、できた。

ここまで正解していると、次にでてくる文章が
「パズルのピースがきれいにはまった」
という文になります。

              有頂天♪


ところが、甘くないんだな、これが。
このままで最後まで読みすすんでしまうと、「終」になってしまうんです。
犯人とされた人が、事件の詳細をいっさい語ってくれないからです。


「探偵役」は、1人ではダメなんです。

「完」を見たければ、ここで主人公を俊夫さんにしなければなりません。

22:40 A:香山さんを殺したのは○○さんじゃない

透さんが探偵役の時、入力するのは「犯人名」です。でも、実はこの事件、実行犯は別の人なんですよね。むしろ入力したのは「共犯者名」だったはずなんです。これが入力時に「違和感」を感じた原因だったりする。笑
「共犯者」がだんまりを決め込んでしまうので、実行犯が見つけられません。
それで、「完」にいたらなかったというわけです。

22:40 A:いや、共犯者はあんたじゃない

探偵が俊夫さんになれば、実行犯をおいつめるための選択肢が開いていきます。

B:俺たちが見つけられないような場所に隠れていると思う。

B:あいつが走り去っていった食堂だ。

B:隠し部屋の存在を知っていそうな人物はいないだろうか?

この後は、どの選択肢を選んでも、問題なく話がすすみ、犯人名入力画面になるはずです。まちがえないように、実行犯の名前を入力します(注3)。

A:いや、どこにいるのかもう見当はついている。

A:この食堂だよ。

うん、俊夫さん、ご苦労さん。
ようやく、事件の真相が解明されます。
でも、このまま読みすすむと、またまた「終」になってしまうんですねぇ、これが。大笑

やっぱし、ハッピーエンドで「完」をむかえなければ意味がありません。

またもや、主人公を変更します。

23:35 主人公は透君です。
  B:その態度の裏に、ぼくは何かがあるような気がした。

直後に乱闘シーンが発生します。
生還したかったら・・・・・・もう1度、探偵役を変更することになります。
今度の主人公は啓子さん。
選択肢は・・・・・・・
 B:足がすくんで動けず、ただ懸命に祈った。(お願い!誰か助けて!)
    もしくは
 C:それでもなんとかしなきゃと思い、ポケットを探ってみた。
このいずれかです。

つまりAを選んで、彼女が大声を出したら失敗。
意に反して、何もできないままでいれば成功することになっているのです。
   (ちょっと、悲しい結末かもね)




ここまでで、殺人事件の問題はすべて解決できることになります。

ところが・・・・・・

なぜか、「完」の文字も、スタッフ・クレジットも出てきません。

それどころか、なんと、死んだはずの香山さんが、ドアを開いて入ってくるのです!

     ええぇぇぇ〜〜っ!!


この先は・・・・・・・またまた主人公を香山さんに変えて、20:55から読み始めるとわかることになっています。

はっきり言って、オカルトっぽいコメディです。
幽霊だの、亡霊だの、呪いだの・・・うじゃうじゃでてきます。
   (でも、なぜか、ちっとも怖くありません。)
選択肢も、どうせなら、絶対に間違っているに違いない方を選んでみたくなってしまいます。(ほぼ、実害はありませんので、やりたい放題やってしまっていいでしょう。「終」になっても、すぐやりなおしがききます。)
なにしろ、主人公があの香山さんですから。

さっきまでの、理屈・理論を突き詰めた推理ゲームはどこへやら。
つっこみを入れても不毛ですから、勢いにまかせて、つっぱしってください。
これを最後まで読みきれば、ようやく1回目の「完」が待っています。

通過必須ですから、「オカルトかよ。」「非論理的だわ。」なぁんて言っていると、今回、絶対に「完」が見られないということになっているのです。

「オカルト、だめっ。怖いのダメなのよぉっ!」
という方も、たぶん、大丈夫でしょう。
TVゲームのRPGに参加できるくらいなら、問題なく読みすすめます。
(いや、そこまでオカルトがだめな人だったら、すでに2で放棄、間違っても3を買おうとは思わないかもね。)

・・・・・というか、この場面が今回1番奇想天外で楽しかったなぁ・・・・・・




かくて、無事「終章」まで全部見終わると・・・・・・今回も「ピンクのしおり」がもらえることになっています。

はい、あこがれの「ピンクのしおり」です。
これさえあれば、番外編のちょっぴりHな物語が読めるわけですね。

お約束の塊のような「番外編」・・・・・・なんか、とっても短い話なのに、本編よりも力が入っているような気がしたのって、私だけなんでしょうか?


                                       もどります



注1:犯人の名前は「はるこ」さん
注2:トリックは「さんごうしつ」もしくは「へや」
注3:犯人の名前は「むらかみ」または「つとむ」

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