準備万端だったのに (かまいたちの夜2 監獄島のわらべ唄)
サウンドノベルの大ヒット作「かまいたちの夜」のPart2ともいえるゲームが8年ぶりに登場する・・・この話を聞いた時、私はまず自分の耳を疑いました。
「かまいたちの夜」は、連続殺人事件の謎解きがメインストーリィのゲームです。
そこに登場した人物がほぼ全員再登場する新作??
殺されちゃった人や、犯人はどうなっちゃうの?!
まぁ、この件については、ゲームの冒頭で解説してもらえることですから、つっこみだけで終了ですね。笑
とにかく、今回は前作に登場した人々が「我孫子武丸」という「謎の人物」によって「三日月島」に招待されるところからスタートします。
(いやぁ、笑えますね。ゲームの脚本を担当した作家さんと同じ名前の謎の人が出てきちゃうんですよ)
しかし、招待をうけた主人公たちは誰も我孫子武丸という人物の正体を知りません。
彼(?)はいったい何者なのか?
そして、招待先の館で発生する恐怖の連続殺人事件の真相は・・・?!
やる気になりましてねェ。
うかうかしていたら、探偵役のはずの主人公だって、あっさり殺されて
「終了」
ってなっちゃうゲームなんですから、油断大敵ですよ。
まずは前作を引っ張り出してウォーミングアップなんかしちゃったりして。
サウンドノベルは選択肢の選び方で分岐していく物語です。
どの部分で、どんな選択肢が出てきたのか?そして、どれを選んだら、どんな内容に発展していくのか?
たとえ一見めんどうに思えても、これを1つ1つチェックしていけば、やがて物語の真相に到達できるわけです。
メモ帳と真新しいペンなんか用意しちゃってね。
さぁ、発売日がやってきました。
おしっ、トリックなんかに誤魔化されたりせんぞ!
一発で犯人を指摘してみせてやる!!
意気込みだけは充分です。
まずは、メインストーリィである「わらべ唄」篇のスタートです。
謎の招待状の話。
そもそも前作「かまいたちの夜」とはなんだったのかという説明。
あいかわらず今一歩の進展がみられない主人公とヒロインの関係を笑いとばして、なつかしい「シュプール」のオーナー小林さんの登場にほんわかムード。
しかし、目的地の島が見えてくると、とたんに物騒な雰囲気がただよってきます。
船頭さんによって語られる島の逸話と、おどろおどろしい「わらべ唄」の内容。
プレイヤーにとっては「来たぞ来たぞ〜ッ」状態ですね。
島に上陸して、館に向かうと、途中に古びた神社があります。
めちゃくちゃ怪しげなムードただよいまくりです。
これ、きっと先々問題の場所になってくるに違いないぞ。
メモメモっと。
さらに進んで行くと、湖が見える丘にやってきます。
もともと島そのものの風景はやたら自然にあふれ、美しいんですよ。
ここで小林さんが釣りの話をふってきます。
「主人公君は、釣りをするのかい?」
きれいな湖がそこにあるんですからねぇ、とっても自然な会話ですよ。選択肢も普通のものが2つ。
どっちがいいかな?うん、ここは、ちょっと大人っぽくいってみるかな・・・
「こっちの答えを選択っと」ポチっ。
そしたら、小林さんがやる気になっちゃってねぇ。
主人公をまきこんで湖で釣りをすることになっちゃったんです。
もう、釣り三昧。
ヒロインはその間に館に行っちゃって・・・
気がつけば翌日。
小林さんと釣りをしまくっている間に、ヒロインは館でステキな我孫子氏と出会って意気投合。すっかり親密な関係になっちまったようです。
2人仲むつまじく寄り添って登場するヒロインに、釣りキチ主人公はただ呆然・・・
かくて、この物語は一巻の終わり。
「終」
ちょっと待てぃっ!!
なんで終わりなのよ!!
あの前ふりはなんだったの?!
身も凍るような恐怖の連続殺人事件が発生する話じゃなかったんかい?!
「殺人」の「さ」の字も出てこないうちに、釣りだけやって終わりってなんなのさ!
しかも、主人公、完膚なきまでフラれてるし・・・
いくら わめいたって後のまつりです。
そう、これは製作者によってしかけられた最初のワナ。
私はみごとひっかかって選ぶ「答え」をまちがってしまったのです。
エピソード 1個 終了
うわぁぁぁ・・・
隣で家族が腹かかえて笑っています。
クッソォォ〜〜〜
いいか、このミス、絶対に息子に言うんじゃないぞ。
言わなきゃ50%の確率でヤツもひっかかるから。
もはや、母親の言うセリフではありません。
やがて、これもまた発売日を楽しみにしていた息子さん、ご帰宅。
それはもう、みごとに同じ選択をやって、目玉が点になっていました。
よっしゃぁっ!
よくやった CHUN SOFT!!
あんたは 偉い!!!
もどります