ガセネタの誕生

ここで言うガセネタというのは、実際にゲームをプレイしても、そういうことが起きることはないのに、世間に流布される困った「うそ」の情報のことです。

ゲームの攻略サイトに出かけると、掲示板に時々ガセネタの投稿があります。
また、ガセネタを聞いて、本当なのかと質問してくる人もあります。

普通にゲームを楽しむ人にとって、迷惑以外のなにものでもない「ガセネタ」、これはどうして生まれるのでしょうか?

1つは、プレイヤーの疑問や希望がまちがって伝えられてしまった場合でしょう。
ゲームをしていると、なんとなく謎がありそうなのだけれど、なにもない場所、あやしげな場所というものに出くわすことがあります。(RPGなどには、よくあります)
あれは、なんのためにあるのだろう?
この「疑問」がたまたま、そのゲームでは、なかなか入手できないアイテムなんかにつながって、
「実は、あそこでなにかをすると、レアな○○が手に入るらしいよ」
ってな、うわさ話ができあがると、皆さん疑問に思っているところなので、それがいかにも信憑性があるように思えてしまって、いつの間にか本当に何かが起きるように「裏技」としてささやかれるようになってしまうわけです。
こういうケースの場合は、確認が簡単である場合が多く、実際に「やってみれば」本当かどうかがわかることになっています。


2つめは、うっかりミスというか、だまされた場合ですね。
Aさんが、Bさんから聞いた情報、実はBさんは、ほんの冗談もしくは、かるい嘘のつもりでAさんにしゃべったことなのに、Aさんはすっかり本当のことと信じ込んでしまった。このAさんを通じて、あちこちに「うそ」の情報がばらまかれてしまう・・・というパターンです。
知り合いから「聞く」とは限りません。
どこかのサイトさんなどに書いてあったこと(それが明らかにウソだった場合でも)まったく疑わずに丸呑みして、他の場所で「こんなことを読んだんだよ!」と吹聴しまくる人というのは、けっこういるものです。
ゲーム以外のガセネタでもよく起きることです。
これも、内容によりますが、たいていは、実際にやってみろよ・・・というひとことで拡大を止めることができる場合が多いです。
他人を信じられる・・・ということは、美徳の1つではありますが、まわりの迷惑になるようなことはしちゃいけませんね。情報を広める前に、自分が確認する、この手間をはぶいてはいけないと思います。


3つめは、カン違い。
ゲームのデータは、プロ・アクション・リプレイ(PAR)などの外部機器とコードを利用して、いろいろの改変ができる場合があります。データを改変した場合というのは、「裏技」や「攻略」とはまったく別の話であって、普通にゲームをプレイしていても、絶対にできないことを可能にしてしまえる場合が多いです。
実は「裏技」という言葉は、かなり個人個人で認識があやふやなものでして、コードを利用してデータを改変することも「裏技」だ・・・と言っている人が結構います。
実はデータの改変によって出来上がったものを「裏技でやったんだ」と言って、見せびらかした人がいた場合、外部機器のことを知らない人は「すごい裏技があるんだ」と思い込んでしまうわけです。
思い込んで「実際に見ました」と掲示板に書きこむ人がいるのですが、こういうのも困るんですよね。
こういう場合も、ちょっとコードに詳しい人が見れば、「これはデータを改変したものだ」と、すぐわかってしまうわけです。
自分が「見た」ものが、なんであったのか、判断ができる状況でありたいと思います。

カン違いの一種として、ゲームを元ネタにした2次的創作を楽しむサイトさんからの情報を、ゲームそのものの情報であると間違えて、広める人も困りものです。
有名な例としては、がせねた・ポケモンがあります。
ポケモン・シリーズを元にして、パソコンで画像を作り直して「創作ポケモン」の「絵」を作ったり、その「創られたポケモン」の設定をこれまた創作して楽しもうというサイトさんがあります。ここに行くと、実に面白い2次的創作の作品が見られるのですが、もちろん、最初のページには、ここに登場するポケモンは「創作ポケモン」であって、実際のゲーム・ソフトに出てくるものではないという注意書きがでかでかと明記されているわけです。
ところが、その注意書きを読まない人がいるんですよ。
これは、読まない人の方が悪いです。ものすごく目立つように書かれていますから。
それとも、読んでも、なにが書いてあるのかわからない人が、世の中にはいっぱいいるのでしょうか?(う〜ん、それも問題だなぁ)
とにかく、発表されている「絵」と「物語」だけに頭がいっちゃっているわけです。そして、「見たこともないような、珍しいポケモンが発表されていたんだ。絵も見てきた。ゲットの方法も書いてあった」・・・と、どこかの攻略サイトに書き込むわけです。
出所を知っている人は、「あぁ、またか」と思うわけですね。
でも、そういうサイトがあることを知らない人は、すっかりだまされてしまって、さらに別の場所でまちがった情報が広まることになります。
何度、「創作されたものである」と説明しても、また、しばらくすると、同じ内容の投稿が別の人から登場します。
どうも、人間というものは、自分が見たものは正しいと思い込むふしがあるみたいですね。「写真」があったりすると、それだけで無条件で「本物」扱いする人もいます。
今時「写真」といっても、簡単に作りかえられるものである時代なんですけれどねぇ。


こういう「迷惑」ではあるけれど、本人に「悪意」はないがせネタは、まだいいほうなのでしょう。
本当に困るのは、承知の上で「ウソ」をばらまこうとする人がいることです。
愉快犯の類ですね。

たいていの場合、こういう「ガセネタ」は確認がしにくい条件になっています。
熱心にプレイした「よくゲームのことを知っている人」には、1からやりなおしをしないと、本当かどうか確認できない段階での話にしている・・・とか、もともと、ほとんどチャンスがないイベントの中でしか確認できない内容にしいているか・・・、条件を整えることがものすごく面倒である・・・とかです。
まず、そういう「裏技」があったら、あやしい。笑
だって、なぜ、見つけることができたか・・・疑問でしょう。
普通やらないような作業を3つも4つも、これでもかこれでもかとやったあげく、発生する「裏技」を見つけました・・・と言われたら、なんで、あなたは、そこで、そんな作業をしてみようと思いましたか?・・・と聞きたくなるのが先です
ややこしい条件を1つ1つ見ていくと、けっこう矛盾が隠れていたりして、簡単に論破することができる場合もあります。
まぁ、あまりにも面倒くさそうな話は、まゆつばだと考えていいでしょうね。


むしろ、ヤバいのは、あっさりとした「ウソ」をばらまかれたときの方です。

私が体験した実例の1つは、ファイナルファンタジーX−2でした。
ミヘン街道という場所にチョコボが発見してくる洞窟があります。かなり不思議な洞窟で、その1箇所に「なぜか開いても空っぽ」の宝箱が5つもまとまって置いてあるのです。
どうやって開いても、なにも入手できない・・・というのが正解で、これはおそらく、その洞窟の性質上、プレイヤーに自分の位置を教える目印として存在しているものと考えられます。

ところが、この宝箱に関して
「実は開く順番によって、とてもレアなアイテムが入手できることがある」
という投稿をしてきた人がありました。
この宝箱の謎は、皆さん考えていたことですから、それまでにも「あれには、なにか意味があるのですか?」という質問は何度も出ていたのです。皆さん正確な答えがわからないのです。そこへ
「私は、レア・アイテムを入手しました」
と、書き込んできたのです。
注目されますよねぇ。
私が、その投稿を見たときには、やりとりが、ものすごく盛り上がっていました。

5つある宝箱を開く順番は、何通りあるでしょうか?
答え:たくさんです。  笑

いやね、だれも、そんなことを確認したりしないだろうから「ウソ」を言ってもわからないだろう・・・と思って、作られたガセネタであったわけです。

即座に書き込みました。
「宝箱を開く順番によって、なんらかのアイテムが入手できるということはありません。私は、すでにすべての開け方を確認しております」
この時、私はその攻略サイトさんの常連でしたので、信頼度が高かったのです。
利用者は、私の投稿の方を指示しました。
普通、ここでガセネタは消えるものです。
しかし・・・この投稿者は、引き下がりませんでした。
「だとしたら、順番のほかにも、なんらかの条件があったに違いありません。でも、自分では確認できません。だれか調べてください」
こうなるともう、不可能に近い話ですね。

「裏技」が本当であることを確認することは簡単です。
条件通りにやってみて、成功すれば「本当」なのです。
しかし「がせねた」であることを確認することは・・・実は不可能な場合がある!
「ある」ことは、見つければ証明終了ですが「ない」ことを証明するのは・・・なまはんかなことではありません。
今は見つかっていないけれど、なんらかの条件によって「見つかる」かもしれないわけですから。

「ガセネタ」投稿者は、いろんな条件を提出してきました。
苦し紛れに見えましたけれどね。相手が引き下がらないわけですから、それにつきあって試行したのですが・・・当然、なにも起きません。
まわりから
「ガセだろう」
という声が高くなると、相手は、なんかもう半狂乱になって、
「でも、自分は入手したんです!!」
と書きなぐるわけです。
なにもねぇ、いつまでもこだわっていないで、さっさとサイトから逃げてしまえば済むことだと思うんですけれど。苦笑

この結末がどうなったか・・・というと、アルティマニアが発売されたことで相手が消えてしまったのです。
あの、分厚い攻略本のどこをさがしても、5つの宝箱からなんらかのアイテムが入手できる方法など、載っていなかったからです。
公式に「否定」されたようなものなんですね。


大変に詳しい攻略本が発売されると、それによって真偽が判明して「消えてしまうガセネタ」はたくさんあります。
攻略本は、思わぬ場所でも貢献していることになります。
しかし、ゲームによっては、それほど詳細な攻略本が発売されない場合もあります。
また、メーカーによっては、「裏技」に類する質問については、いっさい返事をださない会社もあります。
(まぁ、いちいち「裏技」についての質問に答えていては、きりがないことにもなるのでしょうねぇ)
たとえば、任天堂さんは、「裏技」についての返事を出してもらえない会社です。

以前、どうぶつの森e+の公式HPの中で、合言葉のやりとりを楽しむコーナーが作られた時期がありました。(現在このコーナーは閉鎖されています)
そこで、ゲームに存在しない「カーテン」というものがあるらしい・・・という情報が流れたことがあったのです。この未確認情報(たぶん、カン違いが元だと思われます)にコーナーが混乱をきたしたのですが、メーカーからの
「このゲームに、カーテンというものは、ありません」
という発表1発で完全に沈静した現場を私は見ています。
公式発表というものは、ものすごく威力があるわけです。笑

できれば、各メーカーさんに、1人1人の質問に答えることはしなくてもいいから、公式のHPなどで、世間に流布している「ウソ」の情報を公式に否定してもらえる場所があったらどんなにいいかなぁ・・・と思うのですけれどねぇ。

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