忍者と賢者の職業事情
「16年後の職業事情」のつづきみたいなものです。
忍者
ファミコン時代は・・・・・隠しジョブの一種ということになっていました。
と、言っても、たいして「隠されて」いたような印象はありません。
通常のジョブは、4種類のクリスタルがある場所でその称号を受けられるのですが、この「忍者」と「賢者」だけは、エウレカの最深部まで到達して、初めて入手できるジョブだったのです。
物語の終盤、いよいよ最後の「土」のクリスタルから称号を受けて、自分なりの最強パーティを組み立てた・・・・・つもりだったのですが、エウレカで、この2つの称号を入手したとたん、誰もかれもが、忍者2人、賢者2人のパーティにしてしまった・・・・・笑い話みたいなことが16年前にあちこちで発生しておりました。
それくらい、「忍者」も「賢者」も強かったわけです。
初めてクリスタルタワーを駆け上がり、最後の戦いにいどんだプレイヤーさんが、この2つのジョブで攻略したのは、とっても自然な話だったんですよ。
これ、16年前の話ですから、DSにそのまま応用すると、ちょっと困ったことが起きたりします。
なにごとも、自分の目でしっかり確かめないと・・・・・伝説をそのまま鵜呑みにしてしまうと、たまにヤバいです。
16年前の「忍者」は、あらゆる武器・防具が装備の対象になっていたと思います。
つまり、DS版の「たまねぎけんし」扱いですね。ただし、「忍者」でも、オニオンシリーズだけは、装備ができませんでした。
(このため、本当に最後の最後になると、16年前も、皆さんたまねぎけんしにジョブチェンジしたことになります。クリアした後だったりしますが。)
まぁ、打撃攻撃のほんまもんのエキスパート扱いだったんです。
たぶん、どんなものでも利用して武器として使ってしまえる職業・・・そういうイメージが「忍者」にはあったのでしょう。
ほら、いろんな「忍者」が登場する小説やコミックを思い浮かべても、
「そんなものが武器になるの?」
ってなものを持ち出して、それが思いもよらない「忍術」を発動させるシーンって・・・・・いっぱいありそうじゃありませんか。これが忍者の魅力ってやつです。
でも・・・・・ゲーム中で、なんでも装備できるからって、弓矢はともかくとして、本をかかえて殴りかかってきた忍者はたぶんいませんでしたし、竪琴や鐘を装備させていたプレイヤーさんも・・・・・・いなかっただろうとは思いますけれどね。
16年経って、「忍者」は「土」のクリスタルから受けられる称号に変化しました。
「土」のクリスタルの場所と、エウレカの最深部では、ほとんど場所的に違いがありませんから、この変更はそれでよかったのではないでしょうか?
装備できる武器・防具の数は、ものすごく変化があります。
それでも、DSでは「ふうまのころも」という、身体に装備する防具が追加されましたので、これで充分でしょう。
頭部は、どうせ「リボン」ということになります。
武器は、装備できるものが減りましたが、忍者の1番の魅力は「手裏剣」を「なげる」ことでしょうから、DS版でも充分強いジョブと言っていいと思います。
まぁ、「手裏剣」の値段がものすごく高いですから、ギルはためておく必要がありますけれど・・・・。
念のため・・・・・。
ファミコン版では、最後の敵である「暗闇の雲」に勝利してしまえば、ゲーム終了です。その後、セーブすることはできませんでした。(というか、セーブする必要もなかったわけです)
でも、DSでは、最後の戦いの後でセーブが可能になっています。
通信イベントの最強の敵も、海底で待ち構えていたりしますから、お忘れなく。
ファミコン版の忍者は、最後のバトルになったら、なんの遠慮もなく、そこいらへんの最強の武器を、手当たりしだい、どんどん投げつけることが可能だったんです。
最初に手裏剣を投げて、それがなくなったら、攻撃力が高い順に、ラグナロクもエクスカリバーも正宗も、投げて投げて、投げまくりです。
エンディングの後は「切る」だけですから。
これ、DSじゃ、もったいなくて、できませんからね。
後が、楽しめなくなっちゃいます。
(やりたければ、やってもいいけれど、やるとしても、相手は鉄巨人ですよ!)
うん、ギルは、大切です。
貯金しておきましょう。
賢者
DSになっても「忍者」は、それなりに強いのですが、どうも、「賢者」に対しては、錯覚があるような気がしてなりません。
16年前の「賢者」は、強かったんです。
装備も、きっちり整えられましたし、すべての魔法が使用できるジョブでした。
(防具を固めれば、前衛に置けるジョブだったんです。)
なによりも、「どうし」や「まじん」を捨ててまで「賢者」にジョブ・チェンジさせた最大の理由は、圧倒的に「賢者」の魔法使用回数が多かったからです。
エリクサー(非売品)以外、魔法使用回数を回復させるアイテムが存在しなかった世界で、ザコには、1度に山ほどの敵が出現してくるゲーム。
あの、長丁場のクリスタルタワーを駆け上がり、魔王ザンデをしりぞけ、さらに、闇の世界に突入して4天王扱いのボスをたおし、ようやく最後のバトルを勝ち抜くためには、どれだけの魔法使用回数があるかが最大の問題だったんですよ。
この間、いっさいのセーブポイントもなかったんです。
もうね、めちゃくちゃ不安。
(実は、後日、ザンデ戦直後に裏技でセーブポイントを出現させることが可能だったことが判明するのですが・・・・・。普通、知らない人は、1回も電源を切ることすらできなかったのです。)
DS版みたいに、闇の世界の4天王に勝利するごとに、HPとMPが完全回復するような、都合のいい話もまったくありません。(DSでは、各地のボス扱いの敵とバトルすると、直後にHP・MPが回復するシステムになっているようです。)
エリクサーも、DS版ならば、3色のドラゴンなんかがポコポコ落としてくれたりしますが(さらに、ぬすめます)、ファミコン時代には、このドラゴン達、ほとんど姿をおがむこともできないくらいレアでした。
ゲーム内で拾ったり、もらったりした数少ないエリクサーを大切に持ち越して・・・・・なんとかやりくりして攻略していった時代だったんです。
前にも書きましたが、ファミコン版FFIIIにおいては、攻撃魔法の使い手というのは、DSと比較にならないくらい重要でした。
もちろん、回復用の魔法の回数も計算に入れておかなければなりません。
これに耐え抜いたファミコン版の「賢者」は、はっきり言ってDS版の「賢者」とは別者と考えた方がいいでしょう。
16年経って、「土」のクリスタルで「賢者」の称号を入手すると
「すべての魔法が使えるジョブです」
という点に飛びつくのか、多くのプレイヤーさんが、やたらパーティに「賢者」を入れたがります。
攻略サイトを覗いてみると、
「賢者にしなければ、ダメだよ。」
と、無責任にも知らない人に薦めているケースもある。
ちょっと待ってください。
好きだから使うのは自由ですが、お薦めジョブかどうかは別問題です。
今回、DSにおいて、もっとも攻略上必要になってくる魔法は、回復魔法です。
黒魔法、召喚魔法、魔法に匹敵する「ちけい」「うたう」などは、プレイヤーさんが「好き」だから使う攻略方法です。
でも、ケアル系とアレイズは、存在価値が違います。
終盤の敵が相手だと、アイテムでの代用が困難だからです。
吟遊詩人を1人入れて、いやしの歌をうたわせっぱなし・・・というのも面白い攻略ですが、バトル中の戦闘不能復活だけはアレイズにたよらないわけにはいきません。
(終盤だと、レイズやフェニックスの尾は、バトル中にさほど役に立つものではありません。)
アレイズが使えるのは、「どうし」と「賢者」です。
どちらが使いますか?
もちろん、「どうし」ですよ。
理由があります。
「どうし」の方が、スピードにまさるからです。
終盤でアレイズが必要になるような場合は、パーティが強力な全体攻撃を受け、さらに複数攻撃で、だれかが戦闘不能におちいっているようなケースです。HP回復もしたいけれど、まずは復活が優先と判断された時でしょう。
さっさと復活させておかないと、敵からの攻撃が残った3名に集中してしまいます。
4名でいるより、危険性が高いわけです。
とにかく、すばやく行動してもらいたい・・・・・これが絶対条件でしょう。
ところが、DSの「賢者」のすばやさは、ものすごく低いのです。
アレイズを後回しにして、回復魔法を優先させるとしても、「賢者」では遅いのです。
終盤に出現する敵のすばやさは高いですから、「賢者」より先に敵の次の攻撃が来てしまうのです。
これ、回復役としては、役立たずなんですよ。
そんなことはない、すばやさが低くて、行動順序が必ず最後になるとわかっているのなら、そのターンの1番最後に回復させる役目として利用できるじゃないか?!ターンの最初のうちに回復行動をして、敵の攻撃にそなえるのも、ターンの終わりに(敵の攻撃をすませてから)回復をして、次のターンにそなえても同じことだろ?
・・・・・・・という反論が当然来ますよね。
理屈では、そのとおりです。
でも、実際にやってみると、難しいのです。
ものすごくパーティのレベルが高くなっているのであれば、話は別です。
(たとえば、相手が鉄巨人の場合なんかは、この方法でいいのでしょう。回復役がすることは、毎ターン、1番有力なケアルガあたりを全体回復のかたちで使い続けることになるからです。)
でも、クリスタルタワーを上り、闇の世界を攻略しよう・・・としているくらいの時には、まだあまりレベルが高くありません。まわりの敵は、強敵ぞろいです。
そのターンで、だれが、どんなダメージを受けるのか・・・予想して「賢者」の行動を入力しておかなければなりません。(ATBじゃありませんから、行動入力は1ターンごとに最初に行います。)
どんなダメージの受け方をしたとしても、きちんと回復させられるようにしておきたければ、余裕をもって、強力な回復魔法を使っておく必要があるでしょう。
強力な魔法の使用回数は、多くないのです。なのに、前もって行動を入力する場合は、どうしてもロス覚悟になるのです。
(すばやい回復役がいれば、ターンの最初に、もっとも有効な回復方法が選択できます。無駄が出にくいです。)
そして、ダンジョン攻略中、魔法の使用回数を回復する方法は、貴重品のエリクサーしかなかった時代なのです。
この「無駄」の多さが、長いダンジョンになればなるほど、どんどん蓄積されてしまうわけです。
回復役のすばやさは、最低でも敵のすばやさよりは高くなければ問題が起きてしまうんですよ。
第一、そのターンで、だれかが、たまたま敵の集中攻撃にあって戦闘不能になるかもしれない・・・・・なぁんてことを、前もって予想することは、神様でもないかぎりプレイヤーにはできないことになります。
回復役が賢者だけの場合、アレイズ問題がどうしても出てきてしまうことになるでしょう。
じゃぁ、回復関係は「どうし」にお任せするとして、「賢者」は黒魔法や召喚魔法を使えばいいんだ。
本当にそうでしょうか?
(賢者というジョブが、ものすごく好きであるのなら、そういう使用方法になると思われます。好きなプレイヤーさんが賢者を使うのは、もちろん自由なのです。)
DSの「賢者」は、他の魔法使いと比較して、魔法の使用回数がとても少なめに設定されているのです。
ダンジョン攻略のあちこち(ボス戦の後ということです)で、回復できる場所が用意されているから、困らないだろう・・・・・ということなのでしょう。
専門分野は各々の専門家の方がすぐれものである・・・・・これがDS版の考え方なのです。
同じ黒魔法、召喚魔法を使うのであれば、「まじん」「魔界幻士」の方が使用回数が多いのです。さらに、賢者より、すばやいです。
また、賢者の召喚魔法は白・黒タイプですから効果が特定できないままです。
なんでもできるかわりに、のろくて器用貧乏・・・・・これが、今回の賢者と言えましょう。
つまり、DSの「賢者」は、16年前の、「あらゆる魔法使いタイプの最上位に位置する特別のジョブ」と違って、「どうし」「まじん」「魔界幻士」などと同じランクの、「魔法使いの1つのタイプ」と考えた方がいいのです。
赤魔導師を器用貧乏で使えない・・・と悪口を言う場合がありますが、ある程度の武器を装備できて、打撃攻撃担当にもでき、しかも、途中までのレベルの魔法を白・黒ともに使用できる「赤魔導師」は、ゲームの前半戦においては、利用価値があるジョブなんです。
ここをカン違いしてはいけません。
賢者が使用できるのは、ゲーム終盤だけなのです。
終盤における、器用貧乏で、すばやさに欠けるジョブ・・・・・・実際に使用してみて、相当きついです。
それでも好きだから「賢者」が使いたい・・・・・と思うのであれば、問題点を充分認識した上で、どうしたらその価値を前面に押し出せるのか、他のジョブ以上にしっかり考えておく必要があると思います。
これから、DSのクリスタルタワーを攻略しようとしている人に
「ジョブは、○○ と XX、後は賢者が2人だな。」
などと、胸はって力説しているプレイヤーさん・・・・・・・・。
私なら、その魔法使いが2名いるというパーティの場合「賢者が2人」のところは
「どうし」と「まじん」 もしくは 「どうし」と「まかいげんし」 にするのが一般的だろうと思います。
毎回毎回、後手後手にまわる賢者は、結局まったくあてにすることができないジョブで終わってしまいましたから。
でもねぇ・・・・・・・
16年前、お世話になったジョブだったわけですよ。
せめて、スピード・・・・・・・・もうちょっと、すばやさが高いジョブに設定されていたら・・・・・。
今回「賢者」に対して、ものすごく残念だった感想です。
もどります
SEO | [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送 | ||